マスクで呼吸するのはかなり息苦しく、ついつい口が半開きになってしまいがち。緩みっぱなしの口元を続ければ、老け顔一直線。そこで、マスクを着けたままでも若々しい顔を目指せる最新メソッド「コアフェイストレーニング」を表情筋研究家の間々田佳子さんが教えてくれた。シリーズ3回目は「口元のたるみ解消」。
唇と口角を鍛えて口元シェイプ
「マスクを着けたとたん口が開いていませんか? マスクを着けると、相手から見られていない安心感から口元の緊張感も緩みがちです。ところが、その半開き状態こそ口元を老けさせる原因。最近、私のレッスンでもマリオネットラインが気になる、口元がだらしなく見える、という生徒さんの声をよく耳にします。
口を半開きにするクセがついて口元の筋肉が緩み始めてしまうと、今度は口を締めづらくなります。または、締めてもいつの間にか開いてしまって、長時間閉じていられない。ただし、楽さと引き換えに口元はたるみます。さらに、たるんだ口元はあご肉に引っ張られるので顔も長くなる。いわゆるロバ顔です」(間々田さん・以下同)
口元が緩むと表情もだらしなく見える
口元やあごのたるみや緩みは、表情をだらしなく、覇気なく見せてしまう原因にも。
「私も以前は、気づかないうちに口が半開き状態になっていましたが、口の周りを鍛えることですっかり解消できました。実は、口の周りには顔の70%もの表情筋がついています。ですから、筋肉の中心となる口輪筋を鍛えれば口元が引き締まるとともに、連動している筋肉も鍛えられ顔全体が引き締まりやすくなるのです」
間々田さんの口元のたるみを激変させたコアフェイストレーニングが、「口笛アップ」。
コアフェイストレーニング「口笛アップ」のやり方
首を伸ばして真上を見上げた姿勢で、口笛を吹きながら唇をすぼめて前に突き出し、軽くあごを上げ5秒キープ。唇をしっかり寄せる。これを3回行う。
「できるだけ唇をすぼめて前にグーッと押し出すことがポイント。唇の中心だけではなく左右の頬にも力を入れましょう。口笛を吹いたときの息をマスクに吹きつけるイメージ。口笛が吹けない人は口輪筋も衰えてるはずですから、コツがつかめるまで繰り返し練習しましょう。」
楽に音が出て、唇もすぼめられるようになった頃には口元のたるみも解消し、口の締まりもよくなっているはず。
口呼吸になるとウイルス侵入の原因に
口を閉じられないことによる他の心配も。
「口を閉じていれば呼吸は鼻呼吸ですが、口が開けば自然に口呼吸になり外部のほこりやウイルスなども体内に侵入しやすくなります。防御するフィルターの役目を担っているのは鼻。マスクの息苦しさから、ついつい口呼吸になってしまいますが、なるべく口呼吸に頼らないようにしましょう。 “マスクをしたら口を閉じよ!” を合言葉に。
鼻呼吸がしづらいときは姿勢を整える意識を。体の中心に呼吸の道を作るようなイメージで、尾てい骨から頭頂部をまっすぐ整えて胸を開くイメージにすると鼻呼吸もしやすくなるはずです」
一方、猫背などの悪い姿勢の場合、のど、呼吸器官、肺は縮こまってしまい浅い呼吸になってしまう。マスクを着けるとより息苦しさを感じてしまうので正しい姿勢を心がけよう。「口笛アップ」と美姿勢をセットで行って、口元の引き締めとともに鼻呼吸を強化し、ウイルスの侵入を防ぎましょう!
教えてくれたのは:表情筋研究家・間々田佳子さん
コアフェイストレーニング考案者、ままだよしこメソッド株式会社代表。19歳のときにインドに渡り、顔のヨガを学ぶ。2010年フェイシャルヨガの高津文美子氏に師事し、インストラクター認定資格を取得。以後、顔ヨガブームの火付け役として美容業界を牽引。2020年より自身の新メソッド「コアフェイストレーニング」を考案し、顔の「軸」を見つけることで顔を引き締め、表情・印象をピンポイントで変えていく「顔のトレーニング」の普及を行う。講演・テレビ出演も多数。これまでに出版した著書は13冊累計56万部を突破。講座受講者は3万人を超える。主な著書は 『日めくり まいにち、顔ヨガ!』(小学館) など。『中居正広の金曜日のスマイルたちへ』『NHKニュースシブ5時』『行列のできる法律相談所」『シューイチ』『この差ってなんですか?』他、多数のメディアにも出演。
取材・文/佐々木めぐみ