体重70kg超のイラストレーターが一念発起! コロナ禍での外出自粛期間中に自宅でできるダイエットをしよう、ということで4月から始めた3か月チャレンジがついに決着。今回は結果発表とともに、痩せるために大切なポイントを一挙大公開します!
初めてのダイエット、なぜ失敗しなかったのか?
編集S:いや~、やり遂げましたね。つらかったですか?
サヲリブラウンさん:最初に女性専門パーソナルトレーナーの石本哲郎先生が、“ダイエットにストレスは禁物。だから今回挑戦するのは、ストレスを感じさせない「ストレスレスダイエット法」だ”っておっしゃっていましたけど、正直そのときは、そんなアホなと思っていたんです。
編集S:ということは、本当にストレスレスだった?
サヲリブラウンさん:う~ん、それまでは、1食で2000kcalとか、無法地帯の食生活だったんで、さすがに1日3食で1200kcal生活は慣れるまで食欲の制御が大変でしたよ。運動だって、1日200歩程度しか歩かなかったのに、筋トレや有酸素運動を始めて、しんどいなって思うことは多少ありました。
編集S:まさかの、看板に偽りありだった(汗)?
サヲリブラウンさん:いや、このダイエット法じゃなかったら、正直逃走していたかもってくらい、自分には合っていました。短期間でやせるには、甘いものを食べちゃダメとか、運動は毎日しなきゃダメとか、“しちゃいけない”ことが多い。理屈ではわかるんだけど感情と肉体がついていかないんですよね。でも、このダイエット法は、守る部分を守れば自由度が高くて「絶対にこうしないとダメ」っていうことがないんですよ。
編集S:そういえば、甘いものが食べたかったら筋トレの2時間前か筋トレ後ならいいとか、代替案を出してくれていましたね。ダメとは言われなかった。
サヲリブラウンさん:そう。自分では手に負えない欲望をなだめすかしてくれるんですよ。だから、たとえ不満が出ても、すぐに解消される。結果、ストレスにならない。
石本哲郎さん:ストレスって本当にダイエットの大敵なんですよ。健康的にやせるにはある程度の日数、ダイエットを続けることが必要ですが、つらいと続けられないですよね。がまんして続けて、ストレスがたまるとストレスホルモンが分泌されて、筋肉を分解してしまうので、やせにくくなって逆効果なんですよ。
編集S:ダイエットのペースを少し落としてでも、ストレスをためない方法を選んだ方が、長期的に見ると結果が出やすいということですね。
サヲリブラウンさん:確かに。今回はリモート飲み会をやったり、おいしく食べるために調味料を使ったりしてカロリーオーバーする日もありました。それで少し体重が増えても、こんな日もあるって気持ちを切り替えられればつらさを感じにくい。だから続けられました。
石本さん:ダイエットは本来単純。食事量を減らし、運動量を増やせばいいわけですから。ただその生活がどれだけ続けられるかが肝心。結果が出るまでストレスなく続けるための工夫が、今回のメソッドにはつまっています。
編集S:なるほど。では、その具体的な方法を詳述します。サヲリブラウンさんが実際に挑戦したダイエット方法を具体的に紹介します。「3か月で10kgやせる」など目的と期限を明確にした方が結果が出やすいとか。早速チャレンジを。
痩せるための6つの食事術
◆1日の摂取カロリーは1200kcal以内に
「消費カロリーより摂取カロリーが少なければ体重は減ります。ですから、1日1200kcalに抑え、食べたものとカロリーを記録しましょう。ただし、1000kcal以下はダメ。筋肉が落ち、元気が維持できなくなります」(石本さん)。サヲリさんの場合、大変だったのが“記録”だという。「記録が面倒で間食が減り、意外と楽に抑えられました」(サヲリさん)。
◆たんぱく質は1日60g以上、毎食20g以上摂ること
ダイエット中、意識して摂るべき栄養素はたんぱく質だ。「たんぱく質が不足すると筋肉が減少し、筋トレの効果も充分得られません。1日に60g、毎食各20gずつ摂るのが基本です。食間が6時間以上あく場合は、途中でたんぱく質10g分の間食を摂ること」(石本さん)。サヲリさんは間食に、ちくわや揚げかまぼこなどの練り物や鮭とばを定番にしていた。
◆多少カロリーオーバーしてもおいしく食べる工夫を
食事の記録が面倒で、食事メニューをローテーション制にしたサヲリさん。しかし、同じメニューが続くと飽きも来る。「そんなときは、調味料を駆使して味を変えましょう。大切なのはおいしく食べるための工夫。多少カロリーがオーバーしてもかまいません。食事の楽しみがあった方がストレスをためにくく、ダイエットは成功しやすいんです」(石本さん)。
◆困ったときはゆで卵、さば缶、サラダチキン
食材選びに迷ったら、たんぱく質量が豊富なゆで卵、さば缶、サラダチキンがおすすめ。「さば缶は1缶(約160g)で約33.4g、ゆで卵は1個約6.5g、サラダチキンは115gで約21.7gのたんぱく質量なので、1食に1品取り入れれば簡単に必要量が摂れます」(石本さん)。サヲリさんは、もやしやえのきたけ、白菜、大根、鶏団子入りの鍋をよく食べていた。
◆甘いもの(糖質)は筋トレ2時間前に
「筋トレ前に糖質を摂らないと、パワー不足で成長ホルモンが充分分泌されないし、筋肉もつきにくくなります。おにぎり1個程度を、筋トレ2時間前に食べましょう。甘いものが食べたい人は、このタイミングなら筋トレで消費されるのでOK」(石本さん)。同じ甘いものでも、フルーツの果糖は筋トレのパフォーマンスを上げてくれないので、おすすめできないという。
◆筋トレ後にはたんぱく質(プロテイン)を
筋トレ後は筋繊維が傷ついているので、その修復などのために、たんぱく質が必要になる。筋トレ後遅くとも2時間以内に、たんぱく質を20g以上摂るのが理想的だ。サヲリさんは、プロテインが含まれた市販の甘いシリアルバーを小分けにして、必要なときに必要量、おやつ代わりに食べていた。つらい筋トレ後のごほうびにもなり、一石二鳥。
ダイエットに必要な3つのストレス対策
◆睡眠不足はダイエットの敵!7時間以上の睡眠も大切
「寝不足が続くと、無駄な食欲がわきやすくなるうえ、筋トレのためのパワーがわかず、やせづらくなります。また、筋肉がもっとも多く作られるのは睡眠中。そのため、しっかり寝ないと筋肉が作られにくくなります。ダイエット中は7時間以上の睡眠を心掛けて」(石本さん)。長時間睡眠が難しい場合は、いつもより1時間多く寝るだけでもOK。疲れているときは筋トレを休んででも睡眠を優先させた方がいい。特に筋トレの前日はたっぷり睡眠をとること。
◆食欲をがまんできないなら「ごほうびDAY」を
「どうしても食欲に勝てないときや、断れない飲み会などのときは、その日を『ごほうびDAY』として、1500kcalまでは摂ってもいいことにしましょう。頻度は月に1回程度、多くても週1回がベストです」(石本さん)。
たとえば、会社の飲み会などでどうしても夜のカロリーが高くなりそうなら、朝昼を各300kcalに抑え、夜を900kcalにするなど、1日の内で調整すればいい。ごほうびDAYの日は、罪悪感を持たずに食事を楽しみ、また次の日から筋トレのセット数を1セットずつ増やしたり、1駅分歩くなどの有酸素運動を増やす、あるいは、翌日の朝食を減らすなどして、長い目で見て調整しよう。サヲリさんもこの方法でリモート飲み会を楽しんだ。
◆リラックス効果のあるストレッチを取り入れよう
ストレスがたまってきたときは、ストレッチをすると気分転換になる。
「下記で紹介している4種のストレッチは、リラックス効果の高いものです。週に3~4日、入浴の前か後に試してみましょう。体がほぐれ、寝つきもよくなりますよ」(石本さん)。ストレッチと合わせて、ゆっくり入浴もしよう。好きな入浴剤を活用すれば、心身共にリラックスしやすい。
筋トレは週2回でOK
「ダイエットの基本は食事管理と筋トレで、この2つはセットで行わないと意味がありません。というのも、食事を減らすだけでは代謝は上がらず、脂肪は燃焼されません。脂肪は筋肉を増やすことで燃えやすくなるので、食事と筋トレを一緒に行うと、効率よくやせられるというわけです」(石本さん)
筋トレは週に2回、4種をやればOK。やりすぎるとストレスホルモンが出て、筋肉を分解してしまう。
サヲリさんの場合、初めは4種だけ。最後の2週は負荷をかけ、2kgのおもりを背負って筋トレしてもらった。
「最初は筋肉痛がひどかったので、2~3日空くのが助かりました。1か月も続けると慣れてそれほど苦ではなくなりましたね。気を抜くと、動きが乱れてしまうので、つねに筋肉の動きを意識しながら続けました」(サヲリさん)
1つの筋トレを1セット行ったら、必ず1分ほどの休憩をはさむこと。休憩をして筋肉を一度ゆるめてから、再び筋トレを行った方が、効率よく鍛えられるからだ。
◆痩せるための4つの筋トレのやり方
有酸素運動はどのくらいのペースでやる?
◆1日に合計1時間、週5~6時間が理想
ダイエットを2か月ほど続けていくと、やってくるのが停滞期だ。これまで通りの方法では、やせづらくなる。打開策として有効なのが有酸素運動だ。今回は、家で手軽にできる「踏み台昇降運動」に挑戦。1日に合計1時間(朝晩30分ずつ2回など)、1週間のトータルで5~6時間できればOK。1日1時間だけ行うのが精神的にも肉体的にもいちばんストレスをためないという。
「運動が苦手な私には、有酸素運動がいちばんきつかった。でも、絶対に毎日やらなきゃ、と気負わないでいいので助かりました」(サヲリさん)
サヲリさんは好きな音楽をかけ、ダンスをしながら続けた。楽しめる方法を探すのがおすすめだ。
漫画「ダイエット、成功してみた」
3か月のダイエットの結果、どうなったか?
【Before】
【After】
【プロフィール】
イラストレーター・サヲリブラウン/愛知県生まれの39才。DTPデザイナーなどを経て、イラストレーターに。LINEの「どうぶつスタンプ」シリーズも人気。
女性専門パーソナルトレーナー・石本哲郎/女性専門パーソナルジム「リメイク」、女性専門フィットネスショップ「リーンメイク」代表。一般女性を中心にのべ1万人以上を美ボディーに導く。主な著書に『根性なしでも10kgヤセたい‼』(ワニブックス)など。
漫画・イラスト/サヲリブラウン 撮影/柴田愛子
※女性セブン2020年8月20・27日号
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