不調改善

DNAタイプ別、食べてやせる方法|糖質制限でやせない人も?チェックリストですぐわかる

カロリー計算、糖質制限、筋トレ、ベジファースト…流行のダイエットを試しては、挫折を繰り返してしまうのは、決して努力が足りないからではない。あなたにピッタリの食べ方・やせ方は、生まれたときから「DNA」に刻み込まれていた!

あなたのDNAに合わせた「食べてやせる」方法を知れば、体形がみるみる変化していくはず。DNAタイプは大きくわけて3つ。体形や性格の傾向、かかりやすい病気、おすすめの食べ方ややせ方までまるわかり。今すぐわかるチェックリストであなたのDNAタイプを知って、生活を変えましょう!

DNAのイメージイラスト
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ダイエットしてもリバウンドする理由

主食を抜いて、甘いものをがまんすれば、お肉も油ものも食べ放題、運動もしなくてOKなんて、夢のよう――流行の糖質制限ダイエットに挑戦してみたら、体重は少し減ったものの、フラフラしたりボーッとしたり。

結局、耐えきれずに食生活を元に戻し、体重もあっという間に元通り。同じものを食べていた夫は、短期間で5kgもやせたのに…。こんなふうに、同じダイエットをしても効果に差があり、挫折する人は後を絶たない。

だが、管理栄養士の麻生れいみさんによると、正しい知識を持って行えば、誰でもある程度までなら糖質制限で体重を落とせるという。

「そもそも現代人は、3度の食事以外にも、間食や飲み物などで糖質を摂りすぎています。だから、糖質の摂取量を減らせば、簡単に体重は落ちる。“糖質制限でやせられた”という人が多いのは、いままで糖質を過剰に摂っていたがゆえなのです」(麻生さん・以下同)

◆遺伝的に向いている食事がある

食事をする女性
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しかし、とにかく主食を食べないようにするだけでは、ダイエットは成功しない。

「糖質を減らした分だけ、その人に合った別の栄養素でエネルギーを補ったり、体質に合った運動をしないと、代謝が落ちてリバウンドの原因になります」

では、どうやって自分に合った方法を見つければいいのか。

実は、食事制限も運動も、あらゆるダイエットには、遺伝的な向き不向きがある。「頑張っているのにやせられない」と嘆くなら、その方法があなたの遺伝子に合っていないのかもしれない。

遺伝子チェックで自分向けのダイエット法がわかる

食べたものの栄養を分解する体内酵素の量や強さ、代謝のよさは、生まれたときから遺伝子によって決められており、一生変わることはない。

健康設計のための遺伝子検査に長年取り組んでいる、高輪クリニック院長の陰山康成さんが解説する。

「50種類以上ある肥満遺伝子のうち、特にダイエットに深くかかわる遺伝子は3種類。たんぱく質をエネルギーに変える力を左右する『ADRB2』、脂質を代謝する力を左右する『UCP1』、糖質を代謝する力を左右する『ADRB3』があります。日本人の97%が、このうちのどれか1つに変異があり、それによって“ダイエットの苦手分野”が決まるのです」

 

体重計に乗る女性
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例えば、遺伝的に糖質を代謝する力が高い人が糖質制限をすると、エネルギー不足になる。一方で、脂質を代謝するのが苦手な人が、糖質を抑えて油ものばかり食べていると、まったくやせられない。このように、自分の肥満遺伝子のタイプを知ることが、正しいダイエット方法を見つける手がかりになる。

◆DNAチェックリストのやり方

まず、次に紹介するDNAチェックリストを使って、自分の肥満遺伝子のタイプを判定してみてほしい。

【A】【B】【C】の各10項目のポイントをそれぞれ合算し、合計ポイントが最も高いものが、あなたの持つ遺伝子タイプだ。

「このチェックリストにより、遺伝子が影響する体質がわかるほか、性格の傾向、注意すべき病気までおおかた予測することができます。一般的な遺伝子検査は唾液や血液を用いますが、上のDNAチェックリストの結果の整合率は、そうした検査の約8割ほどにもなります」(陰山さん・以下同)

体形の変化は環境要因が7割、遺伝的要因が3割といわれている。遺伝的要因を把握すれば、ダイエットの妨げになっている環境因子をコントロールすることも容易になる。

ダイエット法を判定するDNAチェックリスト

とてもよく当てはまる…5点
当てはまる…4点
どちらでもない…3点
あまり当てはまらない…2点
まったく当てはまらない…1点

【A】~【C】それぞれの合計点数を計算。合計点数が最も高いのがあなたの持つ遺伝子タイプの可能性が高い。

【A】
・動作が素早い
・覚えるのは早いがすぐ忘れる
・好奇心旺盛だが長続きしない
・やせている、またはもともとやせていた
・冷え症、手足が冷たい。寒さに弱い
・冬は特に乾燥肌に悩まされる
・新しい環境にすぐなじむ
・関節がポキポキ鳴る
・便秘しがち
・優柔不断だ

【B】
・自己主張が激しい
・リーダーシップがある
・日焼けしやすい
・ほくろやそばかすが多い
・イライラしやすく怒りっぽい
・しゃべり方や行動に無駄がない
・胸やけや口内炎になることが多い
・便通がよく(1日2回以上)、便はやわらかいことが多い
・完璧主義者で口調がきつい
・目が充血しやすい

【C】
・太りやすい体質
・どこでもよく眠れる
・肌がやわらかくなめらか、色白
・激しい運動や忙しさにも耐えられる
・歩くのも食べるのもゆっくりだ
・覚えは悪いが一度覚えると忘れない
・引っ込み思案、恥ずかしがり屋
・湿気が多い場所や寒い場所が苦手ですぐ鼻水が出る
・食べることが好きで食にお金をかける
・温厚な性格

【A】の点数が最も高かった人は…“やせ太り”の繊細さんタイプ

【B】の点数が最も高かった人は…“下半身太り”のせっかちさんタイプ

【C】の点数が最も高かった人は…“太りがち、むくみがち”なおっとりさんタイプ

【A】タイプの特徴|ADRB2に変異がある“やせ太り”の繊細さん

◆体形・性格の傾向

手足がスラッと長く、やせ型で“バナナ体形”。基礎代謝が高く、脂肪も筋肉も少ない。気まぐれで飽きっぽい人が多い。半面、繊細な部分もある。

バナナ
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◆注意すべき病気

ストレスによってうつや不眠といった精神の不調が起こりやすく、便秘がちになることも。

◆食べ方・やせ方

肉、魚、大豆など、動物性・植物性のたんぱく質をまんべんなく食べるのがいい。鶏肉、魚、大豆製品などがおすすめ。たんぱく質から先に食べ、その後に野菜を摂る。できれば肉は1食100g×3食を習慣に。胃腸に負担をかけないよう、よく噛んで食べる。ダイエットしたいなら、食事制限より筋トレを。

【A】タイプ|スリムな人ほどたんぱく質を摂るべし

【A】の合計点数が最も高かった人は、ADRB2が変異しており、手足が細長く、スレンダーな「バナナ体形」が特徴。

◆鶏肉、魚、大豆などをバランスよく

「遺伝子変異がない人と比べて50~200kcalほど基礎代謝が高く、特にたんぱく質はすぐに代謝してしまうため、スリムだが筋肉もつきにくい」

このタイプの人は、若い頃はやせていても、年を取って筋肉が落ちてから太ると、なかなかやせられずに悩むことも多い。脂肪と筋肉が少なく体が冷えやすいので、たんぱく質の多い鶏肉や魚、大豆などから食べるようにするのがおすすめだ。

麻生さんは、たんぱく質の摂り方についてアドバイスする。

「肉、魚、卵、大豆製品など、動物性たんぱく質も植物性たんぱく質もバランスよく食べるようにすること。

たんぱく質は、1食につき20~25gほどまでが吸収しやすい量。また、肉100gあたりのたんぱく質量は20g程度なので、1食でたくさん肉を食べるより、“3度の食事で毎回100gずつ肉を食べる〟など、小分けにするのがいいでしょう。間食もたんぱく質を意識して、ヨーグルトやアーモンド、豆乳などを摂るのがおすすめです」

肉じゃが
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◆体を温める食事やリラックスする時間を

体を冷やさないよう、しょうがを使った料理や湯豆腐などの温かいもの、植物性の脂肪分も積極的に摂取したい。

さむがっている女性
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「小食な人も多いので、食事量を減らすダイエットをするとやつれてしまいがち。健康的にやせるには、食事制限よりも筋トレが向いています。また、後天的な環境の影響も大きいですが、このタイプは気まぐれで繊細な性格の人が多い傾向にあります。それゆえ、不眠や精神系疾患、便秘などに悩まされやすいと考えられます」(陰山さん・以下同)

高ぶった神経を鎮めるために、マッサージやゆったりした入浴などでリラックスする時間をつくるのも意識したい。

【B】タイプの特徴|UCP1に変異がある“下半身太り”のせっかちさん

◆体形・性格の傾向

メリハリのある体つきで、下半身に脂肪がつきやすい“洋なし体形”。脂肪の代謝が低く、筋肉がつきやすい。エネルギッシュで知的、リーダーシップがあるが、怒りっぽい一面も。

洋ナシ
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◆注意すべき病気

イライラしやすく、ストレスを抱え込んで抗酸化力が弱まると、がんのリスクが上がる。動脈硬化から循環器系や心血管系の疾患につながることも。

◆食べ方・やせ方

辛いものや熱いものなど、刺激の強い食べ物は避ける。サーロインよりヒレ、揚げものより煮ものを選ぶなどの工夫で脂質の摂取量を減らし、脂肪燃焼を助けるビタミンB2の豊富なほうれん草やブロッコリーなどを積極的に。油を摂るなら、オリーブオイルや亜麻仁油など、良質なものを選ぶ。水泳や登山など、下半身を使う運動が◎。

【B】タイプ|下半身太りするならとにかく脂質を減らす

日本人の4人に1人は、脂質を代謝するのが苦手な「UCP1」に変異があるBのタイプだ。

下腹をメジャーで測っているぽっつちゃりした水着姿の女性
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見た目は中肉中背だが、通常と比べると基礎代謝が50~100kcalほど低く、皮下脂肪型肥満になりやすい。女性なら、若い頃はいわゆる「メリハリボディー」の人も少なくないが、その分、下半身から脂肪がつきやすく「洋なし体形」になりがちだ。

「このタイプは、低脂肪食を心がけないと、すぐに太る。食べる順番ダイエットが向いています。脂質の分解をサポートするビタミンB2の豊富なほうれん草やブロッコリーなどを中心に、野菜から食べ始めて、最後に脂質を摂るのがおすすめです」

◆料理にはオリーブオイルやえごま油などを

料理に使う油には、不飽和脂肪酸が豊富なオリーブオイルやごま油、えごま油などがいい。

「できるだけ、炒める、揚げるのではなく、蒸す、煮るなど、油を使う量が少ない調理法を選んで。炒めものをするなら、油を引かなくてもいいテフロン加工のフライパンを使ったり、揚げものの余分な油をキッチンペーパーで吸い取るなどの工夫を。

野菜はゴロゴロと大きめに切ることで油を吸いにくくなるし、噛む回数が増えて満腹感も増すので、ダイエットしたいならぜひ試してみて」(麻生さん・以下同)

肉を食べるときも、脂肪分の多いサーロインやひき肉、ウインナーなどは避けて、脂肪分の少ないヒレ肉や脂肪燃焼を助けるL-カルニチンの豊富なラム肉などを選ぶ。

高級なステーキ肉
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「マヨネーズやドレッシングも脂質が多いので要注意。間食も、ケーキやクッキーではなく、脂質の少ない和菓子や果物にするのがベター」

◆たんぱく質を摂取して運動を

このタイプは運動をすればすぐに筋肉がつくので、たんぱく質も効率的に摂取したい。

「たんぱく質は、肉よりも小豆や黒豆、豆腐など、豆製品で摂るのがおすすめです。代謝が低いので、食事量を減らすと体温が下がって、ますます太りやすくなってしまう。食べる量自体はそのままに、脂肪分の多い食べ物の割合を減らすようにして。

登山やスキー、水泳など、下半身をよく使う運動をすれば、効率的にやせられるでしょう。続けているうちに、内臓脂肪が減ってから、徐々に皮下脂肪も減少して、体形に表れてきます。根気強く続けることが大切です」(陰山さん・以下同)

性格的には、エネルギッシュで頭の回転が速いとされる。一方で怒りっぽい人も多くみられるため、循環器系疾患や脳血管系疾患には要注意だ。

女性が文句を言っている
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【C】タイプの特徴|ADRB3またはFTOに変異がある“太りがち、むくみがち”なおっとりさん

◆体形・性格の傾向

全体的にぽっちゃりしていて、お腹回りから太りやすい“りんご体形”。基礎代謝が非常に低く、特に糖質の代謝が苦手。のんびり屋でマイペースだが、忍耐強くおおらか。

りんご
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◆注意すべき病気

メタボリックシンドロームになりやすく、肥満により高血圧や糖尿病になる可能性も高い。

◆食べ方・やせ方

糖質制限が最も向いているタイプ。主食を雑穀米、玄米、そば、ライ麦パンなどに変えて、主食は最後に食べる。きのこや海藻などでかさ増しした炊き込みご飯なら無理なく糖質量を減らせる。ジャンクフードや清涼飲料など、質の悪い糖が多い食べ物は避ける。ブドウ糖を燃焼しやすいウオーキングなどの有酸素運動がおすすめ。

【C】タイプ|糖質制限が合うのは生まれつきぽっちゃりの人

【C】の合計点数が最も高く、子供の頃からずっとぽっちゃりしているなら、「ADRB3」または「FTO」の変異により、糖質の代謝が苦手なタイプかもしれない。お腹回りにでっぷりと脂肪がついた「りんご体形」になりやすく、日本人の3分の1がこのタイプだといわれている。

「生まれつき代謝が悪く、標準型より基礎代謝が約200kcalも少ないタイプです。特に糖質をエネルギーに変えることが苦手なので、“食べる量を減らしたのにやせない”“水を飲むだけで太る”という人も多い。基本的に食欲旺盛で、ストレスで暴飲暴食に走る傾向もあります。

◆糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病になりやすい

フライドポテトを食べる女性
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お腹回りに脂肪がつきやすいということは、メタボリックシンドロームになりやすいということ。高脂血症や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に気をつけてほしい」

生まれつきダイエットの悩みが尽きないように思えるが、糖質制限が最も効果を発揮するタイプでもある。

茶碗一杯のごはん
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「白米や食パン、うどんなど、白い炭水化物は体内でブドウ糖に分解されて血糖値を上げ、それを下げるために分泌されるインスリンは、余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて体にため込む作用がある。これが太る原因になるのです。主食の量を減らすのがいちばんですが、雑穀米や玄米、ライ麦パン、そばなど、主食を『低GI食品』と呼ばれる、血糖値を上げにくいものに変えてもいいでしょう。

ご飯の量を減らしたくないなら、きのこやひじきなどの海藻類、大豆など、食物繊維やたんぱく質の豊富な食材でかさ増しした炊き込みご飯なら、満足感を得ながら糖質量を減らし、ダイエットにいい栄養素も摂ることができます」(麻生さん)

ジャンクフードや清涼飲料などに含まれる質の悪い糖質の影響を特に受けやすいので、気をつけたい。

◆忍耐強いので、ランニングなど有酸素運動を

のんびり屋でもの静か、めったに怒ったことがないような、忍耐強くておおらかな性格の人が多いともいわれており、このタイプは体力や持久力も高い方だ。運動するなら、長時間体を動かすようなことが向いている。糖質を消費しやすいウオーキングや軽いランニングなどの有酸素運動が効果的。まずは、食後の散歩など軽いものから習慣づけたい。

DNAタイプがわかったら生活習慣を見直して

ソファで仮眠する女性
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自分の遺伝子の特徴がわかったら、それに合わせて生活習慣を見直すことが大切だ。たとえ体に合ったものでも、食べすぎたり、運動を怠けたりしていては、どれだけ知識があっても意味はない。

それを肝に銘じつつ、遺伝子に合った食べ方、体の動かし方を実践すれば、今度こそストレスフリーなダイエットがかなうはずだ。

※女性セブン2020年11月19日号

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