健康・医療

ダイエットの天敵は「気」の不足。「補中益気湯」で隠れ肥満を解消【漢方でカラダケア】

それほど太って見えないのに下っ腹ぽっこり、下半身が太い、また、むくんで冷えるという悩みがある人は要チェック。

お腹を押さえる人
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薬剤師の山田桂子さんによると、このような悩みを持つ女性は多く、漢方医学的には気(気力、エネルギー)が低下することが原因で起こる肥満タイプなのだそう。

【第2類医薬品】補中益気湯エキス顆粒クラシエ 45包

【第2類医薬品】補中益気湯エキス顆粒クラシエ 45包(画像は公式HPより)

今回紹介する「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」は気を補う代表的な漢方薬で、胃腸虚弱や病後の体力回復、疲労倦怠感などに効果が期待できる。そこで、補中益気湯が合う体質や、そしてどのように悩みを解決してくれるのか詳しく解説してもらった。

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補中益気湯ってどんな漢方薬?

◆補中益気湯はこんな人におすすめ

補中益気湯は、下記のような体質の人に合う漢方薬です。

□疲れやすく体力がない 
□胃腸が弱く下痢をしやすい
□下半身やお腹が冷えやすい

補中益気湯には、病後の体力増強や、疲労、倦怠感、胃弱、貧血症、夏やせ、虚弱体質、低血圧、腺病質、痔疾、脱肛といった症状の改善に効果が認められています。

補中益気湯が合う「気不足タイプ」は、一見して太っているように見えない「隠れ肥満」が多いことが特徴です。

◆「気」とはエネルギーのこと

そもそも漢方医学では、「気」とは、気力やエネルギーのことをいいます。漢方では気が充実することで、熱が発生し体を温めたり、食事から必要な栄養を吸収したり、便・汗・尿といった老廃物を正常に排泄するといった新陳代謝が活発な状態を維持することができると考えられているのです。

気不足の状態では、胃腸のはたらきの低下による食欲低下や、疲れやだるさ、冷えやむくみといった症状が起こりやすくなります。つまり、気が不足すると、代謝を高めるために必要な栄養素が吸収できず、体が冷え、さらに冷えによる代謝の低下によって、余分な脂肪や水分といった老廃物が溜まる、という悪循環に陥ってしまうのです。

「補中益気湯」は気を補う生薬と、気を作る根源である胃腸を強化する生薬のはたらきにより、上記のような気不足による症状を改善する効果が期待できます。

◆補中益気湯で効果を感じた人の実例

ダイエットで相談に来た30代の女性の事例をご紹介します。彼女は特別太っているわけではなく、見た目はいたって標準体形の女性です。

机に両腕を乗せて伏せている人
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ただ、顔色が黄色っぽく疲れている印象でした。お悩みをお伺いすると「お腹と下半身がどうしても痩せない。仕事で着る制服の上下のサイズがなんと2サイズも違う」とのこと。他にも、寝ても疲れが取れない・胃腸が弱い・下痢気味・手足が冷えやすい、という典型的な気不足による症状のオンパレード。痩せたくても、運動すると何日も疲れを引きずってしまうのも彼女の悩みでした。

そこで、不足した気を補うために補中益気湯をのみ始めたところ、まず変化があったのが胃腸の状態でした。胃腸が弱いため、朝食を抜くことが多かったとのことですが、補中益気湯をのみ始めてからは、朝から朝食をおいしく食べられるようになったそうです。体も常に温かくなり、下痢をすることがほぼ無くなったそうです。そして、疲れを感じても回復が早くなり、運動もできるように。体調がよくなったことでダイエットにも積極的に取り組めて、見事にお腹と下半身のサイズダウンに成功しました。相談に来た当初とは変わり、現在の彼女は顔色もよく生き生きとしています。

◆補中益気湯に含まれる生薬

補中益気湯には10種類の生薬が含まれていますが、特に「黄耆(おうぎ)」という生薬は、「中(なか)に気を益する」働きがあります。「中(なか)」とは「お腹(なか)」のことをいいます。

「黄耆(おうぎ)」が陶器の器に入っている
画像/Getty Images
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さらに、黄耆のはたらきをより高めるように「人参(にんじん)」、「白朮(びゃくじゅつ)」、「甘草(かんぞう)」を配合しています。

補中益気湯は疲れを感じやすい人には誰にでも合いそうな漢方薬ですが、血圧が高めな人、動悸がする人には適さないため、注意が必要です。必ず専門家に相談のうえ服用してください。

漢方薬を始めるときの注意点

「あまり薬剤に依存したくない」「体調不良になりにくい体質を目指したい」
という人には、漢方薬をおすすめします。漢方薬とは、主に単一成分の合成薬とは違い、いくつかの生薬を組み合わせた薬です。そして、体に負担をかけずに、誰もが本来持っている「自然治癒力」を上手に引き出し、不調をまねかない体質に変える働きをします。

自然の持つ有用性をひとりひとりに合わせて作用するように生薬を組み合わせているので、体にやさしく働きます。また、たくさんの成分を含んでいるので、いくつもの症状に対して1つの漢方薬で対応できる場合があるという特徴もあります。

小皿にのった色々な生薬
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◆選び方を間違えると副作用の心配も

さらにうれしいのが、漢方薬は簡単に生活にとりいれられるという点です。栄養バランスのよい食事を毎日作ったり、頑張って運動をしたりするのは苦手という人でも、漢方薬なら症状や体質に合ったものを毎日のむだけでいいので、手間をかけずに続けることができます。

ただ、漢方薬はその人の体質に合っていないと、効果がないだけでなく、副作用がおきる場合もあります。まずは自分に合った漢方薬を選ぶことが大切です。

クリニックや漢方薬局は敷居が高いというかたには、あんしん漢方のようなAI(人工知能)と漢方のプロフェッショナルが効く漢方薬を見極めて、ご自宅まで届ける「オンライン個別相談・AI漢方」(http://kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などの、スマホで気軽に頼めるサービスもおすすめです。

痩せるために一番重要なのは「元気」であること

主に胃腸を強化し気不足を解消することで、体全体のバランスを整える補中益気湯は、以下のような人におすすめです。

・食欲がなく胃腸が弱い
・日頃から体力がなく、疲れやすい
・上半身に比べて下半身が太りやすい

「気」の不足は「元気」だけではなく、「やる気」の低下にもつながるため、ダイエット成功の妨げになります。自分の体質や生活に合わせて漢方薬をうまく活用し、より健康な体を目指していきましょう。

教えてくれた人:あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師・山田桂子
さん

山田桂子さん
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やまだ・けいこ。漢方専門薬剤師。10年で受けた漢方相談の人数は延べ1万5000人を超える、漢方のスペシャリスト。自身も12年間もの無月経を漢方の知恵を使って改善した経験があり、自らの体験から生理や妊活など女性の悩みや不調のサポートを得意とする。

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