胃腸が弱い人、高血圧の人などにもおすすめ
胃腸効果に関しては、キャベツに含まれるビタミンUが活躍します。
「ビタミンUは水に溶ける水溶性の“ビタミン様物質”とされていて、胃腸の粘膜を修復するたんぱく質の合成を促し、胃酸の分泌を抑える、傷ついた胃の粘膜を修復する、胃潰瘍や十二指腸潰瘍の回復を助ける、といった働きがあります。キャベツは胃薬の名前にもじって使われているくらいですから、胃腸が弱い人にはイチオシの野菜なんです」
さらに、塩分の摂りすぎや血圧が気になる人にもキャベツはおすすめ。
「キャベツに含まれるカリウムが、塩に含まれるナトリウムの排出を促してくれるので、血圧を下げたり、正常に保ったりする働きがあります。他にもカリウムは、夏バテを防いだり、筋肉の動きをよくしたりする作用もあります」
◆カルシウムでイライラ防止や骨を丈夫に
他にも、キャベツには丈夫な骨や歯を作ったりイライラを防いだりする働きのある、カルシウムも含まれています。

「カルシウムの1日の摂取推奨量は、成人女子は650mg。キャベツに含まれるカルシウムは100gあたり43mg程度ですが、たくさん量を食べたり、他の食材で摂ったカルシウムの足しにしたりして、補給するとよいでしょう」
◆1か月で血糖値が変化する人も
このように、1枚の葉にさまざまな栄養素が含まれているキャベツ。工藤さんは、血圧、血糖値、コレステロールが気になる患者さんには、「1日にバケツ1杯分のキャベツを食べるイメージで、とにかくたくさん食べてください」とお話しているそう。実際にバケツ1杯分を食べるのは無理でも、日々の食事に摂り入れた結果、1か月程度で血糖値に変化が現れる患者さんもいるそうです。
とはいえ、キャベツばかりでは飽きてしまいますよね。そこで工藤さんは、『医師が教える 長生きキャベツ健康法』で、健康効果別にキャベツの上手な摂り方を、レシピを交えて紹介しています。レシピの数は、作り置きできるお総菜から汁物、メイン料理の付け合わせまで、60点。キャベツを飽きずに食べ続けられる工夫がもりだくさんです。気になる症状があれば、ぜひ同書を参考にキャベツを食してみましょう。
教えてくれたのは:医師・工藤孝文さん

減量外来・糖尿病内科医。福岡大学医学部卒業後、アイルランドとオーストラリアへの留学を経て、現在は福岡県みやま市の工藤内科で診療を行う。日本内科学会、日本肥満学会、日本糖尿病学会、日本東洋医学会、日本抗加齢医学会、日本女性医学会、小児慢性特定疾病指定医。『ガッテン!』(NHK総合)、『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)など、テレビ出演も多数。YouTubeチャンネル『シックスパックのイケメン医師工藤孝文先生のダイエット外来』も配信中。http://www.kudonaika.com/
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