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外食したがる夫、ステイホームの妻…コロナへの価値観の違い解消には?【コロナ禍の夫のトリセツ】

夫婦の価値観が違うときは、影響を受ける方の意見を優先

いずれにしても、夫婦で意見を揃えることはできないので、戦略を決めましょう。私の場合、夫婦で価値観が違ったときは、その事象に対してどちらを優先するかを話し合います。

口論している男女
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25年ほど前にマンションを購入したときは、東向きと南向きのどちらを選ぶかで揉めましたが、家にいる時間が長い私の意見を優先してもらいました。昨年、家を建てたときは、台所は私の意見、3階のベランダは夫の意見というように、その部分に命をかけているほうに譲り合いました。

私たち夫婦は基本的に経済が別々なのですが、夫婦で1つのことをやらなければいけないときは、その事象に影響を受ける方の意見を優先するというルールにしています。

◆価値観を揃えることに気持ちを向けない

女性は、実を言えば結論よりも共感されることが大事。「君のいう通りだね」って言ってもらえたら、事実(結論)が折半でも満足できるもの。本当は「気持ちで女性に共感し、事実は事実でクールに処理する」というのが上手な女性の扱い方なのですが、日本の男性はそれをしません。

会話している男女
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例えば、イタリア人男性は、女性の話を聞く時に「Bene(いいね)」を多用するし、韓国人男性も「アラ(わかるよ)」「クレ(そうか)」「クェンチャナ(大丈夫?)」を多用します。言語特性の中に、「共感」が仕込まれているのです。日本男子も、もうすこし「いいね」と「わかる」を使ってくれたらいいのにね。

けれど、日本男子は、共感したら、事実もすべて差し出す覚悟。だから気軽に共感できない。でもね、共感を盛大にしながら、事実は一歩も退かない男性より、きっと誠実なのだと思います。

そんな日本の男性と一緒に生きていくと決めた以上、価値観を揃えることに気持ちを向けないこと。アイシュタイン夫妻のように、その都度、クールに決めていくしかないのです。

ただし、自分意見が通った方が、相手のストレスを減少させるように努力する(外食しないと決めたら、外食の魅力を家の中に取り入れるとか)は、夫婦の思いやりというもの。がんばってみてください。

教えてくれたのは:脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん

脳科学・人工知能(AI)研究者・黒川伊保子さん
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株式会社 感性リサーチ代表取締役社長。人工知能研究者、随筆家、日本ネーミング協会理事、日本文藝家協会会員。人工知能(自然言語解析、ブレイン・サイバネティクス)、コミュニケーション・サイエンス、ネーミング分析が専門。コンピューターメーカーでAI(人工知能)開発に携わり、脳と言葉の研究を始める。1991年には、当時の大型機では世界初と言われたコンピューターの日本語対話に成功。このとき、対話文脈に男女の違いがあることを発見。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。2018年には『妻のトリセツ』(講談社)がベストセラーに。以後、『夫のトリセツ』(講談社)、『娘のトリセツ』(小学館)、『息子のトリセツ』(扶桑社)など数多くのトリセツシリーズを出版。http://ihoko.com/

構成/青山貴子

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