1年を通して手に入りやすい長ねぎ。身近な食べ物ですが、保存の仕方は自己流という人が多いのではないでしょうか。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによると、正しく保存すれば食べたときのおいしさが格段に違うそうです。その方法を教えてもらいました。
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長ねぎを保存するときのコツは?
場所をとりがちな長ねぎですが、冷蔵庫のスペースに合わせた保存方法や、冷暗所での保存にもコツがあるんです。
冷暗所で保存する場合は?
冷暗所などで保存するときは、泥ねぎの場合は泥を落とさずに新聞紙や紙袋にくるんでおくといいですよ。長ねぎは密封するのはあまりよくないので紙袋などに入れたときは空気が通るよう開けて保存してください。そうすれば、緑色の部分はしんなりとしてしまっても、白色の部分は1~2か月程度持ちますよ。
なお、ビニール袋は中で蒸れて劣化してしまうので、あまりおすすめできません。
カットして冷蔵保存するのもOK!
長いままの保存が難しければ、カットしてもいいですよ。白と緑の境目で切って、たとえば緑色の部分は肉を調理する際の臭み消し用などに、白色の部分は2~3分割にしてキッチンペーパーや新聞紙にくるんでからフリーザーバッグに入れて、冷蔵庫に保存するといいでしょう。劣化の原因となる水気をよく切ってから、フリーザーバッグにしまいましょう。
冷蔵庫での保存は、長ねぎを立てることがポイント
冷蔵庫に長ねぎを入れるときは、必ず立てるようにしてください。長ねぎは収穫したあとも蒸散と呼吸を繰り返し成長しているので、生えているときと同様に縦にしておかないと、もともとの状態に戻ろうと曲がることでストレスがかかり、エネルギーを使います。それが味の劣化にもつながってきます。
長ねぎの緑の部分は捨てないで!
長ねぎの緑色の部分を使わずに捨ててしまう人もいるかもしれませんが、「ヌル」と呼ばれるぬるぬるとした粘り気を肉の臭み取りに使うことができます。
お肉を漬けこむときや唐揚げの下処理、鶏肉を煮てスープを作るときなどに活用してみてください。スープにすれば、緑の部分に多く含まれるビタミンCもしっかり摂ることができますよ。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持つ。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導など、多岐にわたって活動している。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ