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【65歳オバ記者 介護のリアル】母ちゃんが亡くなって2週間、バスを降りると「財布がない!」騒動の顛末

財布の中にはカードと免許証、現金が…

それを持たず、春のコートに財布を突っ込んで家を出た。財布の中には、あらゆるカードと原チャの免許証と現金3万円弱が入っている。どうしよう。幸いスマホはある。30分ほど雨の中を歩けば叔母の家に着く。事情を話せば秋葉原の家に帰るまでの電車代210円は間違いなく貸してくれる。

けれど、最後に残ったきょうだいだった母ちゃんがいなくなってから、めっきり弱々しくなってきた叔母の顔を思い浮かべると気がすすまないんだわ。ドジな姪にますます落胆しまいか。

結局、交番の若いお巡りさんに事情を話すと、バスの終点の練馬車庫の電話番号を教えてくれたの。そうしたら夜の10時過ぎないとバスが戻らないとか。戻ってきたら連絡をしてくれると言う。ならばと、雨がしとしと降る目白駅前で1時間半、あっち歩き、こっちの建物に身体を預けて時間をつぶした時のミジメさといったらなかったね。

「ノハラさんですか?」

10時15分。練馬車庫の係の人の明るい声で、財布があったことがわかる。とっさにその場にしゃがみ込みそうになったわよ。だけど財布はバスの運転手さんが回収してくれたけれど、営業時間の関係で受け渡しは翌朝でないと出来ないとのこと。すまなそうな声でそう伝える都バスの職員さんって、どんだけ親切なの!

結局、タクシーを拾い、運転手さんに事情を説明して、家に着いたら一枚だけ家に置いておいたクレジットカードで支払うことを約束して、送っていただいたわけ。

私のセルフヒーリング法は電車とバス

で、一晩寝ると少し元気になって、翌日は練馬車庫へ財布を受け取りに行きがてら、500円の1日乗車券で都バス乗り回しの日に決めた私。気持ちがズドンと落ちそうな時は、電車でもバスでも乗るに限る。これは、長い一人暮らしで身につけた私のセルフヒーリング法。

オバ記者
気持ちが落ちそうな時は電車かバスに乗る! それが私のセルフヒーリング法
写真9枚

コースは下記の通り。

秋葉原駅南口~本郷三丁目駅前~江戸川橋~練馬車庫~目白~池袋駅東口~西新井駅~池袋駅東口~上野広小路。

オバ記者 駅前
人けなしの駅前の風景は初めて訪れた西新井駅前。長く都バス唯一の黒字路線だった。池袋から約40分の乗車
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10時半に出発して、8本の都バスを乗り継ぎ、途中、バス停前のカフェに2軒入って、上野に戻って来たのは夜7時半。東京の右上、三分の一の風景をただ、眺めていたの。

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