女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第23回は、寧々さんの「春服」について。
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春になると、優しい色合いやホワイトが着たくなる。
春から夏にかけて重宝するのは、やっぱりサラッと羽織れるアウターだ。私はロング丈のものが好きで、クローゼットは丈の長いものばかりだ。しかし、最近は丈の短いアウターが気になる。
自転車に乗る事がとても増えたからだ。以前、急いで行かなければいけない所があり、自転車で慌てて向かおうとしたのだが、その時ロングの羽織りを着ていた。
一瞬ちょっと危ないかなとも思ったが、急いでいたので、裾を腰で巻き付けて向かった。途中ほどけてしまったが、風になびいていたのでそのまま乗っていたら、裾が車輪に絡まり、転びそうになった。危なかった。本当にひやっとした。
それからは、自転車に乗る時は、必ず短いアウターを選ぶようにしている。でもショート丈は、ほとんど持っていないので、時々夫や子供の服を拝借する。少し大きくて、私にはちょっと重い。軽くて気心地の良い、ショート丈が欲しいなあ。
太極拳の練習に行く時も、雨が降らない限りは自転車だ。午前、午後で場所が違う時もあるので、自転車の行動範囲がすごく増えた。時々道に迷いながらも、知らない道を走るのは楽しい。
春夏は色や柄をあるアイテムを選びたい
夏にかけても今度は紫外線対策でUV加工してある服が便利だ。日差しも強いので、長袖が嬉しい。蚊にもさされにくいし。 ん….結局いつの季節も、私は長袖が欠かせない気がする。
サンダルが履けるような季節になるまでは、本当にスニーカーが大活躍する。冬は黒を選びがちだけど、この時期は少しくらい派手かなと思っても、それぐらいのほうが可愛くて明るい気持ちになったりする。
色が心に与える影響って、本当に面白いと思う。買う時の気分によっても暖色系だったり、寒色系だったりする。冬はあまり柄のあるものを着ないが、春夏は柄も楽しい。
最近の私は、グリーンに惹かれる。ストールも冬は寒さ対策だけど、春夏は紫外線対策に便利だ。でも自転車に乗っていると風になびいて顔にかかって前が見えなくなったりして危ないので、トップスの襟の中に入れてしまう事が多い。 自転車から降りる時に出すのだが、時々出し忘れて、胸元がモコモコになってしまっていて恥ずかしい事も多々ありますが…。
とにかく春夏はファッションを思いっきり楽しめる季節。次は何を着ようかなあ。
◆文・大塚寧々(おおつか・ねね)
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。現在、出演映画『軍艦少年』が公開中。