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【65歳オバ記者 介護のリアル】安倍元首相の訃報に触れて改めて感じた「家族が消えていく寂しさ」

葬儀の日、安倍元首相に「敬礼!」

葬儀の日、午後3時前。今まで見たことがない人数が、議員会館と国会議事堂の間の道に出てきていた。永田町というとふんぞり返った政治家の先生が歩いているところと、私もバイトをする前は思っていたけれど、実際は食堂の人や警護の人、掃除の人などいろんな人が働いていて、その数は国会議員よりずっと多いのよね。

オバ記者
安倍元首相も逝ってしまった…
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安倍元首相を乗せた黒い車が衆議院議員会館の前に近づいてきた。いくどとなく、最敬礼をして安倍元首相の車を衆議院会館の駐車場に誘導したに違いない警備員さんたちが、横一列に並び、「敬礼!」の号令。

私はその声を聞くまで安倍元首相を乗せた車が通り過ぎるところをスマホにおさめようと身構えていたのに、車が通る前から手を合わせてしまい撮影は失敗した。

「あ、雨」

「涙雨だね」

誰かの声がした。

身近な人を亡くすと人は変わる

解剖学者の養老孟司先生は、「人は親兄弟など身近な人を亡くすと変わります」とYouTubeで話していたけど、ほんとにそう。私は人が変わったんだと思う。見送りなんて身内の死を体験する前なら絶対にしなかったはずだし、見送りをしたら少しホッとするよね、なんて人から聞いたら「気のせいじゃない?」と笑ったかも。

介護の真っ最中は一秒でも早く、ここから離れたいと願っていたけれど、天寿をまっとうできず、突然消える死を目の前にすると、介護の時間を持ててよかったなと、これも私の実感だね。

安倍さん、どうぞ安らかに。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

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オバ記者ことライターの野原広子
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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