余談だが、シーサイドスポットと音楽が絶好の相性なのは湘南に限ったことではない。湘南の次に人気が「九十九里浜」。ほどよい海水浴ハッピー歌謡フレイバーを漂わせ、Mi-Ke『想い出の九十九里浜』、ももいろクローバー(当時)の『ココ☆ナツ』など名曲が多い。
私は関西在住なので大阪の海ソングも気になる。検索したところ、真っ先に出てきたのは上田正樹さんの『悲しい色やね』。なるほど、こちらも名曲やね……。
できれば兵庫の愛すべき海水浴場、須磨ソングも欲しい。一応調べてみると、そのままズバリ『須磨海岸』という平松愛理さんの楽曲を発見。故郷の風景の温かさと夢を追う切なさを感じる、素敵なバラードだった。出会えてよかった……!
受け継がれる湘南ソング
さて、加山雄三さんのシーサイドソングは、彼をリスペクトする多くのアーティストに歌い継がれている。2021年には湘南乃風が『湘南乃「海 その愛」』を発表。加山さんが歌う『海 その愛』のオリジナル音源を使用し、世代と時代を超えたリスペクト溢れる楽曲に仕上がっている。
彼の音楽を、湘南の海が若い世代につなげている。なんと粋な音楽のリンク!
9月9日には、東京国際フォーラム ホールAで最後のホール公演となる「加山雄三ラストショー 〜永遠の若大将〜」が開催(全国47都道府県の映画館でライブビューイングも開催予定)。12月の船上ライブでコンサート活動引退となる。
そう、引退するのはあくまで「コンサート活動」。24時間テレビではこうも言っていた。
「永遠に(曲を)作っていく。まだまだ出していない新曲、いっぱいあるのよ」
加山雄三さんの若大将魂は多分ずっと、サーフボードをウキウキ自作したテンションそのままだ。
◆ライター・田中稲
1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka