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秋の肌悩みで多い「シミ」「くすみ」 シミはレーザーですぐ消せる?アラフィフのシミ事情も踏まえ美容皮膚科医が解説

「シミはレーザーですぐ消せる」は間違い?美容皮膚科医が解説(Ph/イメージマート)
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秋の肌悩みとして年代問わず多いのが、「シミ」「くすみ」。夏の間しっかり紫外線対策をしていたはずなのに「シミが増えた」「シミが濃くなった」と感じている人も多いはず。シミはレーザーですぐに消せると思っている人も多いようですが、必ずしもそうではないそう。そこで、美容皮膚科医の山屋雅美さんにシミ治療の実情を教えてもらいました。

低価格で気軽に受けられる美容医療が増加

できてしまった濃いシミを化粧品で消すのは困難なため、比較的お手頃な価格でもできるところも増えた「クリニックでシミを取る、くすみを晴らす」という選択をする人も増えています。美容医療を受ける人が増加傾向の反面、信頼できる美容医療を選ぶのが難しくなっているのも事実。シミ治療も同じで、正しい知識を持って臨まないといけません。

Q.秋になるとシミが増えた気がするのはなぜ?

A.夏に浴びた紫外線のダメージが肌表面に現れるのがちょうど秋ごろ

「紫外線を浴びてからシミやくすみなどのダメージが肌表面に現れるまでには、一定の時間がかかります。肌の生まれ変わりの周期との関係で、1か月~1か月半というブランクがあるため、シミやくすみとなって現れてくるのがちょうど秋ごろになります。また、夏の紫外線により肌の内部を守るため傘の役割をするメラニンが増えてくすみ、シミが濃くなります」(山屋さん・以下同)

Q.シミはレーザーですぐ消せる?

A.レーザー治療でシミを取っても結果が現れるのは約半年後

美容医療を受ける女性
手軽に受けられる美容医療が増加。正しい知識を持って受けるのが大前提(Ph/イメージマート)
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「レーザー照射後は、照射部位にカサブタができ、カサブタが剥がれたあと、照射部位に赤みや一過性の色素沈着などの色みの出現があることもあります。その場合、色みが薄くなるまでには3か月~半年程度時間がかかるため『レーザー治療(シミ取りレーザー)であっても、すぐにシミを消せない』ということを、治療を始める前に知っておいてほしいです。

レーザー後の色素沈着が治まる期間も踏まえて、レーザー治療でシミを取る場合は、約半年かかると思っておいてください」

Q.レーザー適応になるシミ、実は少ないって本当?

A.肝斑(かんぱん)が混在している場合はレーザーは当てられません

バツの札のついた棒
実はレーザーで消せるシミは多くはない(Ph/イメージマート)
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「シミ(老人性色素斑)でお悩みの人の多くは、気になるシミのベースにうっすらと肝斑(かんぱん)がある混在タイプです。肝斑は、老人性色素斑のように丸い形ではなく境界がハッキリとしていないため、自分で肝斑の存在に気づいていない人も多くみられます。また、肝斑はレーザーにより悪化するため、肝斑を併発している部位のシミには、レーザー照射ができません。こういったことから、実はレーザーを当てられるシミは意外と少ないのです」

Q.「フォトフェイシャル」は何回も受けないといけない?

A.レーザーと違って徐々にメラニンを排出するから5~6回がベスト

「フォトフェイシャルとは、医療機関でしか受けられない美容医療で、肌全体にIPLと呼ばれる光を照射することにより、メラニンや毛細血管にダメージを与えたり、コラーゲンの生成を活性化させることで、シミ、くすみ、肌の色ムラ、毛穴目立ちなどさまざまな肌トラブルを改善していく治療です。

フォトフェイシャルの光が、シミやくすみなどの原因であるメラニンに当たると、光エネルギーが熱に代わり、メラニンにダメージを与えます。ダメージを受けたメラニンが肌のターンオーバーによって排出されることでシミやくすみが改善していきます。フォトフェイシャルは、レーザーと異なるマイルドな光治療で徐々にメラニンを排出する治療のため、効果実感を得るためには5~6回程度お受けいただく必要があります」

シュガーポットいっぱいのバナナ
フォトフェイシャルは5~6回やるのがベスト(Ph/イメージマート)
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Q.シミ治療の適齢期はある?

A.適齢期はないもののシミの量によっては長期の治療に

「遺伝などで幼少時からそばかすがあり20代くらいでそばかすに対する治療をされる人は多いのですが、老人性色素斑は30代半ばから気にされる人が多いです。あまりにシミが多くなりすぎると治療にも時間がかかり、長い人は1年以上通うことになります。ですので、気になり始めたらクリニックに相談に行くのがベストです」

Q.アラフィフの女性に多いシミの状態、治療法はどのようなものがある?

A.レーザーよりフォトフェイシャルから始めたほうがいいケース多い

「ちょうどホルモンバランスも乱れ始める年代なので、老人性色素斑と肝斑が混在している人が多く、さらに毛細血管の開きによる赤ら顔や脂漏性角化症というイボのようなものも併発している人も多いです。そのような場合はレーザーよりもフォトフェイシャルから治療を始めるのがおすすめです」

◆教えてくれたのは:美容皮膚科タカミクリニック副院長 美容皮膚科医・山屋雅美さん

美容皮膚科医・山屋雅美さん
美容皮膚科医の山屋雅美さん
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埼玉医科大学卒業後、東邦大学医療センター大橋病院皮膚科、三井記念病院皮膚科勤務を経て、2011年美容皮膚科タカミクリニック入職。2021年、副院長に就任。ニキビ・毛穴などの美肌治療から、シミ・しわ・たるみなどのエイジング治療まで幅広く診療を行う。https://www.takamiclinic.or.jp/

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