季節の変わり目の不調には漢方もおすすめ
漢方医学では、乾燥した空気が体内に入ることで、鼻や喉、肺などの粘膜の潤いがなくなり、呼吸器のトラブルが起きやすくなると考えられています。
そのため、呼吸器の不調には「水分の循環をよくして肺に潤いをあたえる」「気管支を広げて呼吸をしやすくする」「酸素や栄養を肺に届け、呼吸器の機能を回復する」といった漢方薬が選ばれます。
秋の呼吸器の不調におすすめの漢方薬2つ
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
呼吸器系にあたる肺に水分を行きわたらせ、喉に潤いを与える漢方薬です。空咳や声のかすれがある人に用いられます。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
栄養を生み出す胃腸機能を高めることで、消化器系と呼吸器系全般の機能をサポートする漢方薬です。風邪をひきやすい、寝汗をかくなどの症状がある人に用いられます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は繰り返す不調に対して、根本の原因に働きかけます。そのため、食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。また、呼吸器の不調改善のための漢方薬をのんだ場合、体中に酸素や栄養がいきわたることで、秋バテなど疲れの改善にもつながります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。