ペット・動物

犬や猫の寒さ対策を獣医師が解説 ブラッシングや加湿が有効、ホットカーペットは低温やけどに注意

水を飲む量が落ちないように気を付ける

体内にもしっかり水分を取り込みたいものです。犬も猫も、冬は暖かい場所から動きたくなくなったりして、運動量が落ちてしまいがち。そうなると、水を飲む量も減ってしまいます。

「水を飲む量が減ると、排尿のタイミングが間遠になって、おしっこを長く膀胱にためておくことになるので、膀胱炎になってしまったりします。特に猫は泌尿器疾患のリスクが高いので、注意する必要があります。猫は飼い主さんが遊びに誘ってあげて、犬は散歩を欠かさずに、冬でも適切に水が飲めるように誘導しましょう」

犬、猫
水を飲む量が落ちないように気を付けて(Ph/イメージマート)
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適度な運動で肥満の防止&関節痛の予防

適度な運動は、肥満の防止や関節痛の予防にも有効です。

「冬は気温の低下とともに血行が悪くなって、筋肉がこわばり、関節にいつも以上に負担がかかりやすくなります。その結果、関節炎を発症する犬や猫も増えます。関節炎は、体重を増やさないことや血行を改善することが予防になるので、冬でも適度な運動を続けましょう」

もちろん、愛犬、愛猫が新鮮な水を飲めるように用意することは1年を通じて大切です。

「加えて、冬は少し水を温めてあげてもいいですし、あえて水飲み場を増やすのもいいと思います。なかなか水を飲まないようなら、ドライフードをウェットタイプに変えて、フードから水分が取れるようにする手もありますね」

冬の散歩は温度差に注意

寒い時期にも犬の散歩は継続すべきですが、厳寒期には注意すべきポイントがあります。

「暖かい室内から急に寒い屋外へ飛び出すと、温度差が大きすぎて、体がこわばったりしてケガをしやすくなります。なるべく太陽が出ていて風の穏やかな時間を選んで散歩に出られるといいですね。飼い主さんの生活スタイルによってはそれも難しいと思うので、散歩に出る前に廊下や玄関など暖房の効いていない空間で少し時間を取る方法もあります」

被毛が薄い犬種の場合などに、洋服を着せてあげるのも防寒対策として有効です。寒い屋外へ出る前に着せて、暖かい部屋に戻ったら脱がせて、室温と外気温の差を埋めることができます。

◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん

山本
獣医師・山本昌彦さん
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獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/

取材・文/赤坂麻実

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