
何かと忙しい朝ですが、冬は寒くて布団から出るのがつらくなり、さらにバタバタ! そんな朝に困るのが服選び。無難にグレーとベージュを合わせたら全体がぼんやりした感じになったり、暗い色ばかり使って重い印象になってしまったりと、急いでいるのに服が決まらないという悩みを抱えている人も多いはず。そこで、絶対に失敗しないコーディネートのコツをパーソナルスタイリストの杉山律子さんに教えてもらいました。
上下の色を合わせたワンカラーコーデなら素早く決まる
とにかく時間がない! そんなときに素早くおしゃれに決まるのがワンカラーコーデです。組み合わせを考える必要がないので、とにかくスピーディー。
「ワンカラーコーデは、上下を同じ色で合わせたコーディネート。ワンピースやオールインワン、セットアップなどですが、セットされていないものでも色味が合えばOK。その場合は、色味やトーンは必ず合わせましょう。
トップスとボトムスの色をそろえることで、スッキリ見えて、おしゃれ初心者でも素敵に見えます。上半身と下半身に色の境目がないので縦長効果があり、背が低い人にもおすすめですよ。
ワンカラーコーデにしたときは、バッグや靴などの小物は別の色にしましょう。全部がワンカラーになると、逆に着こなし力が必要になってしまいます」(杉山さん・以下同)
締め色、抜け色、中間色から1色ずつアイテムを選べば失敗なし
「ほとんどの人が色合わせで失敗している」と杉山さんは言いますが、複数の色を使ってコーディネートする場合はどうしたらよいのでしょうか。絶対に失敗せず、一発で決まる色合わせのコツは?

「抜け色、中間色、締め色の中から1色ずつアイテムを選んで、全身を3色以内でコーディネートすれば、絶対に失敗しません」
色の分類は次の通り。
・抜け色…白、オフホワイト、アイボリー、生成り、アイスグレーなど
・中間色…グレー、ベージュ、トープ、カーキ、色落ちしたデニムなど
・締め色…黒、紺、チャコールグレー、ダークブラウン、ノンウォッシュのデニムなど
「抜け色は抜け感や明るさを演出してくれる色で、肌のくすみを飛ばす効果もあります。中間色は調和させ、なじませる色。締め色はピリッと引き締める色で、細見え効果があります。
中間色のグレーとベージュを合わせるとぼんやりしたり、締め色の黒と紺を合わせると重く見えたり、ついやりがちな似た色同士を合わせたコーディネートですが、実はおしゃれ初心者には難易度が高いんです。
でも、抜け色、中間色、締め色の中から1色ずつ使ったコーディネートなら、まず失敗はありません。例えば、トップスを抜け色の白、ボトムスを中間色のカーキ、靴とバッグを締め色の黒にするといった具合に1色ずつ選べば、自然とまとまり簡単におしゃれに着こなせます」
全身で3色以上になってしまったら白をプラスして抜け感を
「コーディネートは全身を3色以内にするのが大前提」と杉山さんは言いますが、なかなかそうはいかない日もあるはず。そんなときの解決策はあるのでしょうか。
「3色を超えるときは、必ず白をプラスしましょう。白がはいるだけで、全体がスッキリとまとまります。
白は誰にでも似合う色ですし、季節を問わず使える万能カラー。色を使いすぎるとコーディネートにまとまりがなく見えてしまったり、色同士が足を引っ張り合うこともあります。そんなときに白を加えると、うまくまとまります。
全身が暗く重苦しい印象のときも、白いストールを巻くだけで印象が違って見えると思います」
忙しい朝は、鏡の前であれこれと悩む時間ももったいないもの。時間と気力のない朝こそ、失敗しないコーディネートのコツを実践してみましょう。
◆教えてくれたのは:パーソナルスタイリスト・杉山律子さん

一般社団法人スタイリストマスター認定協会代表。映画や広告、音楽業界など幅広い分野でスタイリストとして活躍後、結婚・出産を経て、2016年よりパーソナルスタイリストとして活動開始。顔立ちや体型、内面からのぞく雰囲気に合わせた「一番、素敵に見えるスタイル」の提案に定評がある。著書に『手持ちの服でなんとかなります』(サンマーク出版)などがある。https://ameblo.jp/stylejiyugaoka719
取材・文/青山貴子