
スーパーなどでほぼ1年中見かける大根は、旬の冬においしい野菜です。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによれば、旬の大根は甘みがあってみずみずしく、やわらかいのが特徴だそう。そのなかでも新鮮なものの見分け方と、おいしく保存する方法を教えてもらいました。
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新鮮な大根を見分けるコツ&カット大根の用途別の選び方
大根の目利きは、色味とひげ根、重さが肝です。おいしいカット大根を見分けるコツもチェックしてみましょう。
丸ごと買うときは葉と根に注目、股割れはNG
大根を丸ごと買うときは、葉が緑色でイキイキとしてシャキッとしているものを選びましょう。根(実)は色が白く、固くハリがあって、見た目がみずみずしいものが新鮮でおいしいですよ。持ったときにずっしりと重いと、ス(中が空洞になっていること)が入っていなくて水分がしっかりと詰まっており、良品です。

ひげ根は毛穴が浅く少なく、表面がなめらかなものがおすすめです。二股や三股になって変形しているものは、育った環境が万全でないことが多いので、避けましょう。
カット大根は用途によって選ぶと◎
カット大根を買うときは、表面がみずみずしくてきめが細かく、断面にスがないものがよいです。

ちなみに、大根は部位によって味も食感も異なるので、カットしたものを買うときは用途によって選ぶといいですよ。葉の近くは辛味が少なく固めでシャキシャキとしているので、サラダや炒めものに。真ん中は甘みが強く、みずみずしくて食感が柔らかいので、おでんや煮物に向いています。先端は辛味が強いので、おろしにおすすめです。
大根の正しい冷蔵&冷凍保存法|根と葉を分けるのがコツ
安くなった大根を丸ごと1本買ったのはいいけれど、使い切れないということもありますよね。正しく保存すれば、冷蔵庫や冷凍庫で長く保管できます。
根と葉を分けるのが冷蔵保存のポイント
大根を1本丸ごと買ってきたときは、まず葉を切り落として根と分けましょう。葉がついたままだと、葉が根の水分と栄養を吸い上げてしまい、味や風味が落ちるからです。カットした根は乾燥を防ぐためにラップで包み、野菜室または冷暗所に置いておけば、1~2週間程度もちます。

葉は湿らせたキッチンペーパーに入れて包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存します。すぐにしおれてしまうので、できるだけ早めに調理しましょう。
細かくカットした場合は翌日までに食べ切る
サラダ用などに細かく切った大根を保存する場合は、水によくさらしたあと、水気を切って密封容器に入れて冷蔵保存しましょう。時間が経つと茶色く変色してきますので、翌日には食べ切ってください。
冷凍保存も◎カットやおろしなど使い分けを
大根は冷凍保存も可能です。冷凍の場合も、根と葉に分けて保存しましょう。
根は皮を剥いて使いやすい大きさにカットしたら、キッチンペーパーなどで水気を拭き取り、生のまま冷凍用の保存袋に平らにして入れましょう。1か月程度保存することができます。冷凍すると大根らしいシャキッとした食感は失われますが、冷凍のまま鍋に入れられるので、煮物やスープなどに使う場合は手軽です。

葉も使いやすい大きさにカットして、水気を拭き取ってから小分けにし、重ならないように広げてラップで包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で保管してください。
また、大根おろしを冷凍するのもOKです。すりおろしてから軽く水気を切って、保存袋に入れて冷凍しましょう。平らにして厚みが出ないようにすると、使いたい分だけ割って取り出せます。生で食べるときは自然解凍を、みぞれ煮などは凍ったまま鍋に入れてもOKです。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ