場所を区切ってゴールを設定する
「書類の片づけがうまくいかない大きな原因のひとつが、『ゴールがわからない』ことです。初めて取り組む人は、次の『3つのクリア』をゴールとしましょう。
【1】同じ大きさ・形の個別フォルダが並んでいること、【2】個別フォルダのタイトルには、内容を示すタイトルが書かれていること、【3】個別フォルダが整頓・整列していること、です。つまり、単純に、書類を個別フォルダに入れ、タイトルを付けて、並べていくだけ。
最初から家にある全書類に取り組むのは挫折のもとですので、まずは『カウンターの上の書類だけ』『子供の書類だけ』など、一部分から完成させていきましょう」
リバウンドしないホームファイリング
さらに、リバウンドしないコツについて聞きました。
「片づけ」とは出したものを元に戻すこと
「書類は、収納用品を個別フォルダに統一することで、自然に整います。それだけで『整理・収納・整頓』が完了し、書類の『住所』が決まります。そして、使うために取り出せば必ず散らかるため、その出したモノ(書類)を、元の場所(住所)に戻すことで、『片づけ』を完成することができます」
これを実践するためには、次の「鉄則」があるそうです。
「個別フォルダ丸ごと取り出す」が鉄則
「収納場所から、そのときに必要な書類だけを出し入れする使い方は、NGな管理方法です。
取り出すときは個別フォルダごと取り出し、書類を使い終わってフォルダ内に戻すまでは、該当の個別フォルダは机の上などに出したままにしておきます。『現在使用中』だとわかるように工夫しましょう。個別フォルダを丸ごと出し入れすることで、紛失も防ぐことができます」
50点の精度でOK
一方、このようなホームファイリングをひと通り実践するなかでは、「整理」や「個別フォルダ化」など、手が止まりやすい山場も生じてくるそうです。そんなときの対処法として、長野さんはこう助言します。
「各ステップの精度は50点でもいいから、手を止めずに進めましょう。一通り実践することが大事です」
◆教えてくれたのは:オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師・長野ゆかさん
オフィスミカサ代表取締役、オフィス業務効率化コンサルタント、整理収納アドバイザー1級認定講師。文書ファイリングを中心に、オフィスの環境改善、効率化などを指導。コンサルタントとしてのべ40トンの書類削減実績。講師として厚労省、全国の自治体や企業で研修実績がある。ホームファイリング(R)では一般向けのセミナー、訪問作業サポートができる講師の育成にも注力する。2022年10月、『実践! はじめてのホームファイリング 「おうち書類」の片づけかた』(同文舘出版)を出版。https://twitter.com/officemikasa
※ホームファイリング(R)は株式会社オフィスミカサの登録商標です。