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65歳オバ記者の胃カメラ体験記 克服したきっかけは医師へ「胃の中をディズニーランドを案内するように案内して」のリクエスト

初めての胃カメラは「体の拒否反応がすごかった」

そんな私だけど、初めて胃カメラの管がグイと入ってきたときの体の拒否反応はすごかったわよ。口にはさるぐつわみたいなものをかまされて、管が押し込まれるたびにすごい吐き気。口からはたえずヨダレが流れ、お腹に空気を入れられたらおならまで出そうになる。うそっ!!ふざけんな!! もうやめてっ!!検査台から跳ね起きそうになるのを踏ん張れたのは「胃カメラ、太いざるそば。抵抗するな」と心の中で唱えていたことも大きかったと思う。

オバ記者
初検査は「太いざるそば」だと思って耐えた
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あれは3度めのときだったかしら。看護師さんが「なるべく長く喉に止めておいてくださいね」と口の奥にちゅっと喉麻酔のゼリーを入れたとき、思いついて鼻を鳴らすほど派手な鼻呼吸をしてみたのよ。口呼吸をするからついゼリーを飲み込んじゃうけど鼻呼吸なら、ちゃんとゼリーが喉に留まるのではないかと。これが大正解でね。喉の感覚もこれまでとは大違いで、ちゃんと麻酔が効いているのがわかる!!

胃の中を案内してもらうことで医師見習いの気分に

それでちょっとした余裕ができたのね。検査台に寝た私は、若い医師に「私の胃の中をディズニーランドを案内するように案内してください」と言っていたんだわ。生真面目な医師は「できるだけの案内をします」と応えてくれて、「はい、ここが噴門部で、この穴がいかいようです。カメラを奥に進めますね。こちらが十二指腸で、あ、ここはきれいです」とカメラを動かすたびにキチンと説明してくれたの。

「へえ、自分の体の中ってこんなにピンク色していたんだ。かいようはクレーターみたいな形をしていて穴の縁は白っぽいんだね」

自分の体を他人事のように眺めたときの感覚は今でもよく覚えている。ギャーッ、苦しい!!どうしてくれる!!という患者気分に溺れない。モニターを医師といっしょに見ていると医師見習い、みたいな気分が混じるのよ。

それもこれも「胃カメラ、太いざるそば」というイメージと、喉の麻酔ゼリーをしっかり利かせるコツを体得したからだと思う。

さらに胃カメラの回数を重ねたら、私の場合、胃カメラをのみ込むときに「おえっ」となる部分を通過するまでは、“さるぐつわ”をしないほうがスムースに入ることがわかったのよ。“さるぐつわ”は後付けしてもらうように医師にお願いすると、「いいでしょう」ということに。

鼻からの胃カメラを試してみたが…

こうして着々と胃カメラ検査のキャリアを積んでいった私だけど、5年前に転機が訪れた。

還暦の記念に人間ドッグを受けた病院で、「最新機器の威力を試しませんか?」と鼻から管を入れる検査をすすめられたのよ。「ちょっと自信があります」と不敵に笑う医師にそそのかされて、その気になって身を任せたら、あら凄い!!「ここからちょっと痛いですけど、ハイっ、通りました」と言う通り、一瞬で関門を通過したではないの。喉から通すのと違って、まったく「おえっ」とならないしね。

ところが、別の病院で同じことをしたら、鼻の関門を通るときに痛いのなんの。おまけに終わったら鼻血が止まらない。さらに思いがけない痛みのショックでモニター画面を半分しか見られなかったの。

オバ記者
初めて鼻から胃カメラはスムーズだったのに…
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あとで、いろんな人に鼻から検査の体験を聞いてみたらとどのつまりは、鼻からのは検査医の腕によるところが大きいらしいんだよね。「最初はダメだったけど2度めは楽になった」という人もいるし、「何度やっても痛い」という人もいる。そうそう、喉も鼻もダメな人には、わからないうちに検査を終える麻酔コースもあるのよね。

さて私だけど、次に胃カメラ検査をするときはもう一度、喉からコースに戻してみようと思っているの。牛になったようにデロデロとヨダレを流しながら、カッと目を見開いてモニターを見ていると、半獣半人になったみたいで面白いのよ。

好奇心、全開。これも検査を楽にするコツかも。

◆ライター・オバ記者(野原広子)

オバ記者イラスト
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1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。

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