同居家族の変化や転居はストレスに
また、春は生活環境の変化によって、犬や猫にストレスがかかることもあるといいます。
例えば、犬や猫と一緒に暮らしてきた飼い主さん一家の娘さんや息子さんが進学や就職で家を出たり、お父さんやお母さんが転勤になったり。一家で引っ越す。家族の誰かが引っ越す。あるいは転居はしないまでも進学や異動でライフスタイルが変わってペットと接する時間が減る。こういったことが春は他の季節以上に起きやすいといえます。
「そうなると、犬も猫も寂しくなってストレスに感じて、元気がなくなったりします。食欲にも影響がでたり、なんとなく落ち着かなくなったりすることがあるかもしれません。一概に「ストレスがかかるとこんな症状がでます」とは断定できず、個体差があると思います。このような場合、ストレスの原因を取り除くことはできないので、対症療法というか、様子を見守って、ストレスで体調を崩したときに対処してあげることが大切になってきます。
犬はストレスもやはり皮膚炎の形で表れることが多いかなと思います。よくみられるのが、ストレスが原因で体をしきりに舐めたり噛んだりしての皮膚炎です。猫の場合はストレスを感じると食欲が落ちたり、眠ってばかりになったり、過剰にグルーミングして皮膚に炎症が起きたり、下痢をしたりします。愛犬や愛猫と普段以上にコミュニケーションを取りながら、心因性の諸症状については獣医師に相談して適切に対応しましょう」
犬の場合は4~6月に狂犬病の予防注射を
このほか、犬の場合はもちろん4~6月に狂犬病の予防注射を受けなければいけません(https://j7p.jp/81061)。また、ゴールデンウィーク頃からは熱中症のリスクが高まってきます(https://j7p.jp/85488)。熱中症もノミ・ダニも、夏のものだと思わずに、春のうちから対策して、楽しく元気に過ごしたいですね。
◆教えてくれたのは:獣医師・山本昌彦さん
獣医師。アニコム先進医療研究所(本社・東京都新宿区)病院運営部長。東京農工大学獣医学科卒業(獣医内科学研究室)。動物病院、アクサ損害保険勤務を経て、現職へ従事。https://www.anicom-sompo.co.jp/
取材・文/赤坂麻実
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