結局、免疫力の問題?
私のかつての仕事仲間で同い年のHさんがそう。サッカーの審判の資格を持っている彼は、ある日、グランドを走り回っているうちに転んで肘をすりむいたのだそうな。「あ、痛っと思ったけどたいしたことがないように見えたから砂を手で払ってそのままにしたら、翌々日に患部がものすごく腫れて痛み出して、これはただごとじゃないかもと会社の近くの病院に行ったら、即入院」だったんだって。
「医者の顔つきがどんどん変わっていったのは怖かったけれど、だからといって事の深刻さがわかるわけではない。『即入院ですか? では家に帰って入院の用意をしてきます』と言ったら、真顔で『あんた、そんなこと言っていると死ぬよ』と言われた。それでやっと自分がどうなっているか実感したわけ」
要は免疫力なんじゃないかな。Hさんもそう。40代、50代なら傷口から菌が入ってもそれを跳ねのける力が体にあったのよ。私の卵巣の腫れ、結果的には境界悪性腫瘍だって、6年前に卵巣あたりに張りを感じて婦人科にかかったときは「ちょっと腫れているから漢方薬を飲んでみて」というレベルだったのよ。60歳でかかった人間ドックでも「卵巣が3、4cmに腫れているけれど、よくあることだから特別な処置はしなくてもいいでしょう」と言われているの。
もし私に強い免疫力があったら、腫れたり引っ込んだりして、12cmになんかならなかったんじゃないかしら。人間関係もそうだけど、体だって取り返しがつかないことがある。年を重ねると決定的に取り返しがつかないことがあるんだよな。
春は体調が安定しない
とはいえ、春の足音が聞こえてくると体も気分もアップして、大手町に原チャで打ち合わせに行き、日曜日の銀座をぶらぶら。でも、翌日、友達が会員になっている日本外国特派員協会のレストランでランチに行ったら、顔がむくんでいる!
春先はほんと、体調が安定しないんだよね。いいかと思えば、ダメダメになる。でもまたちょっと調子があがる。その波が少しでも上向きになればいいなと思って、いつの間にか80kgを超えた体重を下げにかかりました。まずは野菜スープを主食に! やる気です。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
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