4つの冷え改善策
冷えの改善方法として、橋本さんは即効性のある4つの対策を提案します。特に、朝食をとることは重要だと指摘します。
「自律神経は、昼間に活発になる交感神経と、リラックスしているときに活発になる副交感神経の2種類があります。朝は副交感神経から交感神経に切り替わるタイミングで、毎日決まった時間に朝食をとることで体内リズムが整い、自律神経のバランスが保てます。
さらに、食事をすると体が温まります。食べ物を消化するプロセスで内臓が動いたり、胃酸などが化学反応を起こしたりするときに熱が発生します。この際に、体の温まる食材を選ぶと、エンジンがかかったよい状態で朝のスタートを切ることができます」
麦茶、コーヒーは冷える原因に
橋本さんは体を温める食材として、にんじん、かぼちゃなど土の中で熱を蓄える根菜類や、東洋医学の「五性」で体を温めるとされる食材の鶏肉、鮭、にんにく、シナモンなどを挙げています。反対に、麦茶、コーヒーなどの利尿作用があるものは体を冷やします。
「冷え対策には運動も大切です。スクワットや腹筋、背筋などの筋肉量を増やす筋力トレーニングは室内でもできるので、手軽で効果的です。夜は毛布を四つ折りにしてお腹に巻くと血流が良くなり、体がポカポカします。
4つ目の方法は、腹式呼吸です。息を鼻から少し吸い、吸った息をすぼめた口から深く吐きます。これを5回繰り返すだけ。たったこれだけで、冷たかった手足の指先がじんわりと温まってきます」
寒くて眠れないという人は、寝る前に腹式呼吸を行うことで、快眠に導いてくれそうです。
◆教えてくれたのは:内科医 ・橋本将吉(ドクターハッシー)さん
東京都出身。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「医学教育という専門領域から、日本と世界の明るい未来を創造する」という理念の元、リーフェホールディングス(旧リーフェ)を設立。医学生向けの個別指導塾『医学生道場 』(https://igakuseidojo.com/)の運営や、YouTuber『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』として健康情報の発信。2022年9月に健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』 (https://healthcare-academy.co.jp/)をリリース。2か月で300人を突破。
取材・文/小山内麗香