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WBCの興奮冷めやらず…岡本真夜の『TOMORROW』、「野球」と聞いて真っ先に思い出す曲である理由

楽曲提供、「1曲限りのユニット」結成も

また、岡本真夜さんは他のアーティストへの提供曲もとてもステキだ。たとえば、広末涼子さんの『大スキ!』『明日へ』、ちびまる子ちゃんのエンディング曲、まる子with 爆チュー問題の『アララの呪文』、そして、フジテレビ系深夜番組「Simple Plan」の企画で、岡本さんプロデュースでデビューを果たした石井聖子さんの『ANNIVERSARY』!

2016年にはピアニスト「mayo」としてもデビュー(写真は2003年、Ph/SHOGAKUKAN)
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また、岡本さんがデュエットの相手を一般募集し、選ばれた成田有里恵さんと結成したユニット「Love Cupids」による『春が来た』(1997年)も初々しくて本当に好きだった。ユニットとしてはこれ一曲だったけど、もっと歌ってほしかった。二人のハーモニーが初々しくてかわいくて……。彼女の音楽は、いろんな個性をやわらかく包み込む。

彼女は曲はもちろん、エッセイ『恋する金魚』などの著作も発表しており、2016年には「mayo」名義でピアニストとしてもデビュー!! とにかく多才。そして、ものすごくアクティブだ。

岡本真夜さんの新曲は『カナリア』。シングルマザーのボクサーと娘との絆を描いた映画『レッドシューズ』(2023年2月24日全国公開)の主題歌となっている。胸の奥から湧く苦しさと希望がうずまくような、静かだけどパンチのあるバラードだ。

アップテンポでも、切ないバラードでも、どこか明日を感じる彼女の歌声。私も失敗や空回りだらけだけど、今回改めて聴き、深呼吸できた気がする。とりあえず、見るものすべてにおびえるのはやめようと思えた。

そして、少しでも強くなり、いつかは打ってみたいぞサヨナラヒット!

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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