更年期の胸の痛み予防に効果的な栄養素&食材
微小血管狭心症の予防におすすめの食材はワカメです。ワカメに含まれる色素成分の一種、フコキサンチンは抗肥満、抗糖尿病作用で有明な成分ですが、抗酸化作用があり、活性酸素によるダメージから細胞を守ったり、活性酸素によって受けたダメ―ジを修復したりする働きがあります。動脈硬化予防にも効果があり、ストレスを感じやすい更年期世代の血管を守ってくれる、頼もしい成分です。
2月〜5月は生ワカメが手に入りやすい、旬の時期です。酢の物やサラダなどで食べると手軽です。また、フコキサンチンは脂溶性なので、サラダであればオイル入りのドレッシングを、しょうゆ炒めや中華スープなど油を使って調理をすれば、吸収率を高めることができます。
フコキサンチンは乾燥ワカメや昆布やのり、ひじきなど、ほかの海藻類にも含まれているので、食卓に取り入れやすい食材を使ってみましょう。
更年期の悩みには漢方もおすすめ
微小血管狭心症による胸の痛みなどの更年期の不調対策には、漢方薬をのむのも選択肢の1つです。漢方薬は心身の機能を回復させるので、ホルモンバランスや自律神経の乱れ、血行不良などが原因で生じると考えられている、更年期の不調にも根本からの改善が期待できます。
「ホルモンバランスや自律神経の乱れを整える」「血流をよくして体全体に栄養や酸素を届ける」「イライラや気分の落ち込みを改善し、ストレス性の痛みを軽減する」「消化、吸収機能を改善して体の内側から心を元気にする」などの生薬を含む漢方を選び、鎮痛作用で痛みを押さえるだけでなく、不調が起こりづらい体を目指します。
更年期の微小血管狭心症対策におすすめの漢方薬2つ
・柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
緊張を抑える漢方薬です。精神不安があり、動悸や不眠に悩んでいる人に用いられます。
・半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
神経を鎮める漢方薬です。気分がふさぎ、のどから胸もとに異物感を感じる人に用いられます。
漢方薬を始めるときの注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:管理栄養士・小原水月さん
おはら・みづき。管理栄養士。ダイエット合宿所、特定保健検診の業務に携わりのべ600人以上の食事と生活習慣をサポート。自身が漢方薬を使用して体調回復した経験から、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。あんしん漢方(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)などで執筆中。