大人ニキビ対策には大豆イソフラボンが有効
漢方薬はハードルが高いと感じる人は、普段の食事で体の内側からニキビにアプローチする方法もあります。
ニキビの原因は、内臓不調のほかに、脂質の過剰摂取やホルモンバランスも関係しています。
とくに閉経後の女性は、男性ホルモンの「アンドロステンジオン」の分泌が増えます。アンドロステンジオンは、体内の脂肪組織から分泌される酵素の働きで女性ホルモンのエストロゲンに変換されますが、その変換率は3%程度と少なく、残りのアンドロステンジオンは男性ホルモン作用を示します。
このように男性ホルモンが増えると、角質層の柔軟性が失われたり、皮脂分泌が増えたりして、毛穴が詰まりやすい状態になり、ニキビが発生しやすくなります。
そこで、女性ホルモンのエストロゲンの働きを補う効果が期待でき、大豆製品に多く含まれる「大豆イソフラボン」を摂取してみましょう。
大豆イソフラボンの摂取量目安は納豆1パック
大豆イソフラボンは1日あたり70~75mgを目安に摂取するとよいでしょう。(食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」https://www.fsc.go.jp/hyouka/hy/hy-singi-isoflavone_kihon.pdf)
食品の例をあげると、納豆1パック(50g)には約65mg、豆腐1/2丁(110g)には約55mgの大豆イソフラボンが含まれています。(総合南東北病院「大豆イソフラボン」https://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/200607/mame.htm)
また、脂っこいものもニキビの原因になります。つい、揚げ物や脂質の多いものを食べてしまうという人は、毛穴の詰まりの原因となる過酸化脂質を抑える効果があるお酢を使った「大豆の甘酢漬け」が最適です。
「大豆の甘酢漬け」のレシピ(2~3人分)
【1】 水を切った大豆の水煮150g、酢150mL、砂糖小さじ1、5mm幅に切った乾燥昆布を保存容器などに入れて混ぜ合わせる。
【2】 ふたをして冷蔵庫で半日寝かせて完成。
大豆の甘酢漬けは、サラダにトッピングすると食べやすいです。なお、大豆の水煮150gからは約65mgの大豆イソフラボンが摂取できます。
◆教えてくれた人:薬剤師・碇純子さん
いかり・すみこ。薬剤師。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)で情報発信を行っている。