食事や運動で腸内環境を整える
お通じトラブルは体を冷やさないこと、適度な食事と水分補給、腸内環境を整えることがポイントになりそうです。
「痩せたいからと極端なダイエットはせず、バランスのいい食事を心がけてください。ご飯、主菜、副菜のような一汁三菜が理想です。便秘かなと思ったら、炭水化物や脂質を摂取できているか見直してみましょう。良質な脂質は体に必要です。えごま油やあまに油、食品なら青魚などオメガ3脂肪酸を含むものがおすすめですよ。
夏野菜は水分量が多く適度に体を冷やしてくれるので、こちらも積極的に食べたいところ。野菜に含まれる食物繊維は、便のかさを増やしたり、腸の蠕動運動を活発にしたりしてくれます」
食物繊維を含む食べ物や発酵食品
夏野菜の中では、オクラ、モロヘイヤ、とうもろこしなどに食物繊維が多く含まれます。食物繊維は便通を促すだけでなく、腸内環境も整えてくれます。
「ヨーグルト、キムチ、みそのような発酵食品も、善玉菌や乳酸菌が豊富に含まれていて腸内環境を整えて便通を改善します。私は毎日、納豆2パック食べています」
便秘は腹筋の筋力が低下することでも起こると高尾さんは指摘します。
「女性や高齢者の便秘の原因にもなっているのですが、筋力がないと腹圧をかけていきめなくなるのです。スクワットのような運動をするのが有効ですが、日常的にお腹に力を入れる、良い姿勢を保つ、ということを意識するだけでも違います」
日常的な運動、ストレッチ
日常的な運動やストレッチは、腸の活動を活発にしてお通じトラブルを予防します。また、便意を感じたら、なるべく我慢せずトイレに行くとスムーズに排便できる方も多いです。
「水分は控えるのではなく、汗をかいたらこまめに拭くようにしてください。汗をかいたまま冷房を浴びて体を冷やすと、お腹を下すだけではなく体調を崩しかねないので、汗かきのかたはオフィスなど出先に着替えを用意すると安心ですね。着替えるとサッパリしますし、におい対策にもなります」
コーヒーやお茶は利尿作用のあるカフェインが含まれるので、水分補給のつもりがかえって水分を失う原因になってしまいます。喉の渇きを感じる前に、カフェインを含まない飲み物でこまめに水分補給しましょう。
◆教えてくれたのは:医学博士・高尾美穂さん
愛知県出身。イーク表参道副院長。産婦人科専門医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。ヨガ指導者としても女性の健康を支えている。著書に『更年期に効く 美女ヂカラ』(リベラル社)、『大丈夫だよ 女性ホルモンと人生のお話111』(講談社)など多数。https://www.mihotakao.jp/
取材・文/小山内麗香