夏の食べ物の代名詞のひとつであるスイカ。野菜ソムリエプロの福島玲子さんによると、スイカは全体の90%が水分のためカロリーが低く、さらに夏バテ解消にぴったりな栄養が含まれているのだそうです。そこで、スイカの詳しい栄養と捨てがちな皮を使ったお得レシピを教えていただきました。
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赤と黄で栄養が違うスイカの栄養素
大半が水分と聞くと栄養があまりないように感じますが、スイカには健康や美容にうれしい成分がたっぷり含まれています。また、果肉の色によって栄養が異なります。
夏バテ解消にもぴったり!豊富な“スーパーアミノ酸”とは?
スイカには、“スーパーアミノ酸”とも呼ばれている、シトルリンが多く含まれています。血流を改善する栄養素で、利尿作用やむくみの解消、血圧を下げる効果が期待できます。
また、ミネラルの一種であるカリウムも豊富。塩分を摂りすぎたときに排出する働きがあるので、シトルリンと同様にむくみを改善するほか、疲労回復効果もあるので夏バテ改善にも役立ちます。免疫力を高め、ウイルスやストレスから体を守ってくれるビタミンCも多く入っています。
スイカの果肉は赤色と黄色で栄養が異なる!
スイカの果肉には赤色と黄色がありますが、実は見た目だけでなく栄養も違います。赤色の果肉にはβ-カロテンとリコピンが豊富です。
強い抗酸化作用があるβ-カロテンは、シミやシワ予防などのアンチエイジングに役立つほか、髪や目、皮膚の健康維持や、呼吸器を守る働きが期待できます。
リコピンにはβ-カロテンの2倍以上の抗酸化作用が期待できます。トマトに豊富な栄養素と言われるリコピンですが、同量の可食部で比較した場合、リコピンの含有量はスイカにはトマトの1.5倍含まれているそうです。
一方、果肉が黄色のスイカは、キサントフィルという抗酸化作用のある栄養が含まれています。これには脂肪燃焼効果や抗肥満作用もあり、ダイエット効果が期待できます。
ちなみに、赤色と黄色では味も少し変わります。赤色は甘みが強く、黄色はさっぱりとした味わいである傾向があります。
スイカは皮まで使える!野菜ソムリエプロおすすめアレンジ
スイカは生のまま食べるのが一般的ですが、アレンジを加えて食べてもおいしく食べられます。この夏、ぜひ試してみてください。
スイカの簡単アレンジ
絞り汁にゼラチンを溶かし入れてゼリーにしてもおいしいですし、一口大にカットしたスイカをサラダにトッピングして、フレンチドレッシングをかけていただくのもさっぱりとしておすすめです。
中身をくり抜いた皮を皿代わりにして、その中にフルーツポンチを作る「スイカボウル」にすると、見た目もかわいらしい夏を感じる一品になります。
「スイカの皮のピクルス」のレシピ
ちなみに、スイカは皮の白いところも食べられます。食べやすい厚さにカットして塩昆布漬けにしてもおいしいですし、ピクルスにして食べることもできますので、ぜひ試してみてください。
《材料》(作りやすい分量)
スイカの皮…400g 【A】リンゴ酢…200ml 水…100ml 砂糖…大さじ3 塩…小さじ1/2 ローリエ…1枚 鷹の爪…1本 粒こしょう…適量
《作り方》
【1】スイカの皮の緑の部分は取り除き、白い部分を1cmの角切りにする。
【2】Aをすべて鍋に入れて沸騰させたら、スイカを加え、熱を冷ましたらできあがり。瓶などの保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、1週間ほどでお召し上がりください。
◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/
構成/イワイユウ