無呼吸にはいくつか「兆候」がある
睡眠時無呼吸症候群かどうかは、どのように判断すればよいのだろうか。ほとんどの患者は、無呼吸が続いたあとに大きく息を吸い込む音で目を覚ましたパートナーに指摘されて気づくようだ。
人口の約5%が睡眠時無呼吸症候群に悩まされているといわれるが、実際の数はもっと多いと推定される。無呼吸で目が覚めるとは限らないので、パートナーに指摘されることのない独り身の人は、症状に気づいていない可能性がある。
夜しっかり寝ていても昼間に疲労感がつきまとう
だが、睡眠時無呼吸症候群に悩まされていることを暗示する、誰でもチェックできる兆候がいくつかある。
「夜十分な睡眠をとっているにもかかわらず昼間も疲労感がつきまとい、そのために絶え間なくコーヒーを飲みつづけている」「睡眠の質の悪さを補うために昼寝をしている」もしくは「ほかの人よりも長く寝ているうえに昼寝もしている」といった場合には、睡眠時無呼吸症候群を疑う価値がある。未治療の閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、高血圧、多汗、そして夜間の頻尿をともなうことも多い。
睡眠障害の治療を目的に医師を訪れた際に、睡眠時無呼吸症候群であることが発見されるケースも珍しくない。睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合には、医師はあらゆるリスク要因を検証したうえで、専門の睡眠クリニックを紹介してくれるはずだ。
◆教えてくれたのは:ジャーナリストで作家のミンナ・トゥーンベリエル氏、
スウェーデン・ウプサラ大学准教授、睡眠研究者のクリスティアン・ベネディクト氏
クリスティアン・ベネディクト(Christian Benedict)
1976年、ドイツ・ハンブルク生まれ。スウェーデン・ウプサラ大学准教授、神経科学者、睡眠研究者。キール大学の栄養科学修士課程を修了。リューベック医科大学で神経内分泌学を研究、博士号を取得。2013年よりウプサラ大学の教壇に立つとともに、同大学の睡眠研究を牽引。
ミンナ・トゥーンベリエル(Minna Tunberger)
ジャーナリスト、作家。約20年にわたり、スウェーデン通信(TT)や日刊紙「スヴェンスカ・ダーグブラーデット」等の主要メディアに健康をテーマにした記事を執筆。