エアコンを切り、炎天下に車を駐車していたとき、車内温度はわずか30分後には約45℃にまで上がることもあるといわれています。車に乗ってすぐにエアコンを強く効かせて温度を下げたくなってしまいますが、節約アドバイザー・ファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんによると、エアコンを使えば使うだけ燃費が悪くなってしまうそうです。そこで、なるべく燃費を低下させずに夏場の車内温度を下げる方法を教えてもらいました。
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車内温度を最も早く下げる方法は「エアコン+走行」
家のエアコンの効きを早くする方法として、帰宅してまず窓を開け熱気を外に出すという方法があります。同様に、車内温度を早く下げるには、窓を開けて熱気を放出するのが有効です。
熱気を出してエアコンの効きをよくする
JAFによる実験(https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/user-test/temperature/lowering)では、「エアコンをつけずに助手席の窓を開け、運転席のドアを5回開閉」、「冷却スプレーでシートを10秒冷やす」、エアコンの「外気導入(Lo設定)」、エアコンの「内気循環(Lo設定)」、「エアコン+走行(エアコン〈オート〉を外気導入、温度設定はLo〈最低〉にして走行。2分後に窓を閉め、エアコンを内気循環にして3分間走行)」の5つの方法を比較しています。
これらの方法では、「エアコン+走行」がもっとも効果的で、はじめ55℃あった車内温度が5分後に28℃まで下がったという結果が出ています。
ちなみに、ドア開閉は直後に47.5℃、冷却スプレーは3分後に50.1℃、外気導入は10分後に29.5℃、内気循環は10分後に27.5℃(エアコン+走行と同様の5分後では30℃以上)という結果でした。
このことからも、窓を閉めてエアコンだけを使って冷やすよりも、窓を開けて走行する時間を設ける方が早く涼しくなることがわかりますし、燃料の消費や排ガスを抑えることもできます。
冷却スプレー使用後は火気厳禁
即効性と持続性から人気の高い冷却スプレーですが、冷却スプレーの多くは可燃性のガスが使われているため車内での使用には注意が必要です。スプレー使用後に、換気が不十分な車内でタバコに火をつけようとして引火するといった事故も起きているので、冷却スプレーを使う場合は火気厳禁を徹底してください。