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大人女性の下着は「総レース」「締め付けない」がポイント!「心と体」にプラスになる選び方を下着コンシェルジュが指南

ピンクの服を着た山田奈央子さん
日本フェムテック協会の代表理事をつとめ、下着コンシェルジュとしても活動する山田奈央子さん
写真6枚

人に見せる機会もないからと、惰性で下着を買っていませんか? 下着は選び方しだいで、体にも心にも影響が変わると、日本フェムテック協会の代表理事で、下着コンシェルジュとしても活動する山田奈央子さんは話します。そこで、更年期世代が選びたい下着について教えてもらいました。

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健康にも影響!「締め付けない」下着を選ぶべき理由

「40代以降の女性では、下着選びのこだわりが二極化するように感じています。一枚一枚こだわって選ぶかたと、まったく構わなくなってしまうかたがいます」と山田さんは話します。

ピンクの服を着た山田奈央子さん
40代以降は下着の選び方が二極化していると話す山田さん
写真6枚

体と向き合ってサイズを見直す

40〜50代は適正サイズの変化に気づきにくい傾向にあり、小さめのショーツを身に着けている女性がとても多いと山田さんは言います。

「体重は変わらなくても、年齢を重ねるごとに体形が変化していることが多いからです。同じサイズのものを履き続け、いつのまにかショーツがきつくなっていたという人も意外といるんです。しかし自覚している人が少なく、『言われて初めて気づきました』という声をたくさん聞きます」(山田さん・以下同)

女性は年齢ともに特に下半身に脂肪がつきやすくなるので、一度サイズを見直してみる必要があります。

サイズ選びは締め付けがないことが重要

ショーツのサイズを見直すときは、太ももの付け根である鼠径部を締め付けないかどうか確かめるのが大切だといいます。

ショーツについて説明している
鼠径部を締め付けない下着を選ぶ理由
写真6枚

「鼠径部にはリンパ管が集まるリンパ節があります。このリンパの流れは、締め付けられると流れが滞り、体内に老廃物が溜まることで血流が悪くなって冷えの原因になるなど、さまざまなトラブルが起こります。この鼠径部まわりを締め付けずに“解放”することで、冷えの改善にもつながります」

素材や色選びはどうする?大人女性へアドバイス

さらに山田さんは、おすすめの素材やカラーについても大人女性へのおすすめがあると教えてくれました。

総レースがおすすめの理由、素材はやわらかいものを

「下着でおしゃれを楽しみたい人にこそ、総レースのものをおすすめします。総レースだと特に、透けにくく響きにくいです。それなのに華やかな印象があり、着用すると気分が上がりますよ」

水色とピンクのショーツ
山田さんが立ち上げた「On de miu(オンドミュウ)」のショーツ
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さらに、素材はオーガニックコットンがおすすめだといいます。やわらかい肌触りでチクチクとしにくいので、やさしい着心地のものが多いのだとか。締め付けないショーツもたくさんの種類があるので、購入時に意識してみましょう。

見えないからこそ下着で冒険をするのが◎

若いときのような派手な下着は…と躊躇して地味な色を選んでいる人も多いかもしれません。しかし、山田さんは大人女性こそ、もっとおしゃれな下着を楽しむべきだと話します。

「鏡を見たときにテンションが上がるような、見た目がすてきなものを選ぶことをおすすめします。ピンク色が好きでも、50代でピンクの洋服は…と思われるかたもいるかもしれません。でも、基本的に他人に見られることが少ない下着なら冒険できます。自分の好きな色やレースづかいのデザインを選んでみてください」

好きな下着が自分を大切にすることにつながる

山田さんの元には、好きなデザインの下着を購入したお客から「お気に入りの下着を身に付けることで気分が上がった」というメッセージがたくさん届くのだそうです。

ピンクの服を着た山田奈央子さん
下着が心に与える影響を語る山田さん
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「特に大人女性は、自分のことよりも家族や仕事を優先しがち。せめて下着だけでも華やかなものを身につけると、日常にほんの少しでも彩りが加わるでしょう。3枚セットの安い下着よりも、お気に入りの1枚が手元にあるだけで自分を大切にしている感覚がありますし、日々を楽しむエッセンスになりますよ」

◆教えてくれたのは:一般社団法人日本フェムテック協会代表理事・山田奈央子さん

ピンクの服を着た山田奈央子さん
一般社団法人日本フェムテック協会で代表理事をつとめる山田奈央子さん
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大手下着メーカーで企画・開発を行った後、世界初の下着コンシェルジュとして独立。株式会社シルキースタイルを設立し、女性特有の悩みに寄り添ったインナー、コスメ、健康雑貨などの商品企画開発を17年間行う。自身の女性疾患もきっかけとなり、2021年に日本フェムテック協会を設立し、代表理事としてウィメンズヘルスリテラシーの重要さを雑誌・TV・企業・行政などで周知する活動をしている。2男の母。

撮影/小山志麻、取材・文/イワイユウ

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