健康・医療

ダイエット効果もアップ!簡単「バナナストレッチ」や腸もみなど医師がすすめる4つの腸活習慣

お腹の前でハートを作る女性
やせる体づくりのための簡単な習慣を紹介(Ph/photoAC)
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やせる体をつくるために大切なのは、代謝アップなどにつながる、「自律神経を整えること」。そして、自律神経を整えるためには、脳と密接に関わる「腸内環境を整えること」。そう教えてくれた『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)の著者で順天堂大学医学部教授の小林弘幸さんがすすめる4つの腸活習慣について、詳しく教えてもらいました。

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腸活習慣【1】バナナストレッチ

自律神経が乱れると、消化が滞って便秘になり、お腹が出やすくなったり、血流の悪化で代謝が下がり、脂肪をためやすい体になってしまったりと、ダイエットによくない影響があります。自律神経を整えるためには、腸活習慣を取り入れ、脳と密接な関係のある「腸内環境」を整えるのがおすすめだそうです。

1日2本のバナナとストレッチで腸の機能アップ

腸内環境を整える腸活習慣として最初に小林さんが教えてくれたのは「バナナストレッチ」。内側からのアプローチとして小林さんがすすめるのは「朝食を含めて1日2本のバナナを食べること」ですが、ストレッチによって外側から刺激を与えると、バナナとの相乗効果で腸の機能がさらにアップするそうです。

カットした2本のバナナ
1日2本のバナナとストレッチが腸活に有効(Ph/photoAC)
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「副交感神経が優位なときに腸は活発化します。リラックスして行うストレッチには、副交感神経を高める働きがあり、おなかやお尻まわりの筋肉を動かして鍛えることで、排便力も高まります」(小林さん・以下同)

全身バナナストレッチのやり方

両腕を上に伸ばして、頭上で手首をクロスさせた姿勢を作って行います。ゆっくりと呼吸をしながら、脇腹の筋肉が伸びているのを感じましょう。回数は2回でも3回でもOK。無理せず、気持ちよく伸ばすことが大切です。

【1】足を開いて立ち、両腕を上に伸ばす

バナナストレッチのやり方1
立つときは肩甲骨を引き寄せるように意識(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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両足を肩幅くらいに開いて立つ。息を吸いながら両腕を上に伸ばして頭上で手首をクロス。肩甲骨を引き寄せるように意識して。

【2】上体をゆっくりと左右に倒す

バナナストレッチのやり方1
息を吐きながらゆっくり体側を伸ばす(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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息を吐きながら、ゆっくりと上体を左に倒し、右の体側をしっかりと伸ばす。息を吸ってもとの姿勢に戻り、次は上体を右に倒す。数回繰り返す。

【3】上体をゆっくりと前に倒す

バナナストレッチのやり方3
息を吐きながら、ゆっくりと上体を前に倒す(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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息を吐きながら、ゆっくりと上体を前に倒す。無理なく行けるところまで傾けたら、息を吸いながらもとの姿勢に戻り、数回繰り返す。

腸活習慣【2】腸もみ

次に紹介するのは、腸をつかんでダイレクトに刺激を与える「腸もみ」と「腸にきくツボ」。大腸は、下腹部に大きな四角形を描くように位置しています。そのため、カーブしている四隅には便がたまって動きが滞りがちに。

便がたまりやすい腸の四隅を図解
便がたまって腸の動きが滞りがちな四隅(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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「具体的には、左右の肋骨の下と、左右の腰骨のあたりになります。このポイントを強めの力でぎゅっとつかんでもみほぐし、滞りを改善しましょう。ただし排便には副交感神経を高めたほうがいいので、出ないからと焦らないこと。リラックスしながら腸もみを行って、自然な便意を待ちましょう」

詰まりがちな大腸はしっかりつかんでもみほぐし、腸にきくツボはしっかりこぶしで押し込み、ダイレクトに腸を刺激しましょう。

《大腸もみほぐしのやり方》

腸のもみほぐしのやりかた
腸の四隅をゆっくりもみほぐす(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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【1】便がたまりやすい大腸の四隅のポイントを、対角線上の位置でつかみ、ゆっくりもみほぐす。つかむ位置を上下交互に変えて1~2分行う。

《腸にきくツボ「天枢」と「大巨」の押し方》

腸に効くツボ「天枢」と「大巨」を図解
腸に効く「天枢」と「大巨」の位置をチェック(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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【1】おへその真横、左右それぞれ指3本くらい横にあるのが「天枢」、そこから指3本分下が「大巨」。ここをこぶしで押し込むようにする。

腸活習慣【3】首の温活

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類がありますが、ストレス社会に生きていると、どうしても交感神経が優位になりがちに。腸を元気にするためには、意識して副交感神経を高める必要があります。

「おすすめなのが、首まわりのケアやツボ押しです。首には自律神経に重要な関連をもつ神経があるため、首のこりは血流の悪化を招き、神経の働きをダウンさせて自律神経の乱れにつながるのです。逆に言えば、首まわりをほぐしていい状態を保てば、自律神経が整い、腸にも好影響が期待できます」

首のツボを刺激して温活

首をゆるめるツボは複数あり、こっていると感じたときなどに、指で押して刺激するだけで簡単に効果が得られます。

《首の4つのツボの押し方》

首にあるツボを図解
首にある4つのツボ(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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【1】首の後ろ、頭蓋骨のへりに並んでいる「天柱(てんちゅう)」「風池(ふうち)」「完骨(かんこつ)」。それぞれを両手の親指で押したあと、首のラインに沿って少しずつ下にずらしながら肩まで押していく。頭頂部のほぼ真ん中で少しへこんでいるところにある「百会(ひゃくえ)」は中指を使って刺激する。

ドライヤーやホットタオルを使ってもOK

首の温活では、手でのツボ押しだけでなく、ドライヤーやホットタオルを使うのもおすすめ。

ドライヤーを首の後ろにあてているイラスト
首のツボにドライヤーの弱い温風をあてる(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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身体中に点在する、自律神経や腸を整えるのに役立つツボに、ドライヤーの弱い温風を1~2分間当てると、ツボ押しと同じ効果があり、全身の血流改善にも役立ちます。

ホットタオルを首に巻いている人のイラスト
首まわりの筋肉をゆるめることもできるホットタオル(Ph/『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)より)
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また、ホットタオルを首にかけると、首まわりの神経が温まり、交感神経の働きが鎮められます。ツボの刺激にもなり、首まわりの筋肉もゆるめることができます。

腸活習慣【4】ゆっくり習慣

腸を元気に働かせるためには副交感神経が優位になる工夫をすることが大切ですが、「これには、至って簡単な方法があります」と小林さん。それは、いつもの行動を、ほんの少し「ゆっくり」にすることだそうです。「ゆっくり」を意識して行動すると、自然に呼吸が安定し、副交感神経の働きがよくなるからです。

「おしゃべりするときもゆっくり話し、リラックスして会話を楽しむ。そんな日常生活におけるちょっとした心がけが、自律神経をバランスよく保つのに大いに役立つのです。また、1人の人の自律神経のバランスは、意外にも周囲に大きな影響を与えるもの。例えばイライラした人がいるとまわりの空気も悪くなりますし、感じのいい人の存在は場の雰囲気を和らげます。つまり、自分の自律神経が整っていれば、人に好影響を与え、良好な人間関係も築けるということなのです。このようにいいことだらけのゆっくり習慣、ぜひ実践してみてください」

◆教えてくれた人:医師・小林弘幸

スーツを着た男性
医師の小林弘幸さん
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こばやし・ひろゆき。順天堂大学医学部卒業、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科、トリニティ大学付属医学研究センター、アイルランド国立小児病院外科での勤務を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。「腸のスペシャリスト」として、順天堂大学に日本初の便秘外来を開設。著書に『お医者さんがすすめるバナナの「朝食化」ダイエット』(アスコム)、『医者が考案した「長生きみそ汁」』(同)など。

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