料理・レシピ

失敗しない「手作り干し肉&魚介」の作り方 「干し肉の炙り焼き」やセミドライがおいしい干しいか・干しアジ活用レシピ

「干し肉のスパイシー炙り焼き」
旨みが凝縮!「干し肉のスパイシー炙り焼き」
写真10枚

晴れの日が多く、気温も湿度も低い冬は天日干しにぴったりの季節。干した食材には生とは違うおいしさがあり、栄養面の効果も期待できる。野菜はもちろん、肉や魚などさまざまな食材を干して、毎日の料理に取り入れてみよう!

いいことずくめの“天日干し”はこの季節ならではのお楽しみ

「干すことで水分が抜け、素材が持つ甘みや旨みが凝縮されます。冬は夏に比べて腐敗のリスクは低いですが、肉や魚は塩やしょうゆをつけてから干すようにしましょう」と料理研究家の重信初江さん。

また、管理栄養士の加藤彩子さんは、栄養も効率よく摂れると話す。

「ビタミンやミネラル、食物繊維など、栄養価が凝縮されます。特にきのこのビタミンD量は日光に当てることで増えるため、天日干しにもってこいです」

干すときのポイント

《食材は大きさを揃えて切る》

大根を切っている
大きさや厚みを揃えて切る
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乾きにムラが出ないよう、切るときは大きさや厚みを揃える。

《干し具合はセミドライがおすすめ》

野菜を天日干ししている
セミドライがおすすめ
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完全に乾燥させるよりも短時間でOK。触ってみて表面が乾いているくらいが目安。

《干すときは重ならないように》

ざるに切った大根を並べている
食材は重ねずに
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まんべんなく日光が当たるように、食材は重ねずに並べる。

《晴れた日の朝〜夕方に干す》
朝干して夕方に取り込む程度で◎。野菜の場合は、日当たりと風通しのよい場所で。

《専用の干し網があると便利》

干し網
干し網は100均などにもある
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虫や鳥から守ることもできるので、特に肉や魚を干すときは専用の干し網を使うのがおすすめ。通気性がよく、網目の細かい吊り下げ式で、100均などでも購入できる。

《干したものが余ったら……》
余ったらペーパータオルを敷いた保存容器に入れ、冷蔵庫へ。保存の目安は2〜3日。

肉や魚介を干すときのポイント

《下味をしっかりつける》

肉に味付けしている
下味をつけ、傷み対策
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「傷み対策が重要。しょうゆや塩などで下味をつけたら汁気を拭いて干します。調理の際はしっかり火を通して」(重信さん)

《風通しのよい日陰に干す》

干し網の肉を手にとっている
触って乾燥をチェック
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食材が傷まないよう、気温10℃以上の日は避け、風通しのよい日陰で干す。触ってみて、表面が乾いていれば干し上がり。

干し肉の活用レシピ

凝縮された旨みや歯応えを強く感じられる。「肉が薄いと乾燥後に破れやすいため、焼き肉用の肉がベスト。また、脂が多いと傷みやすいので赤身肉がおすすめ」(重信さん)。

「干し肉のスパイシー炙り焼き」のレシピ

噛めば噛むほど味わい深い! お酒のおともに。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】ボウルにしょうゆ・みりん各大さじ1/2、韓国唐辛子小さじ1(または一味唐辛子か七味唐辛子少量)、おろしにんにく小さじ1/2、粗びき黒こしょう少量を入れて混ぜ、牛焼き肉用赤身肉200gを加えてよくもみ込む。汁気をよく拭き、広げて干す。

【2】グリルなどで、【1】を焦げないよう注意しながら焼き色がつくまで中火で2〜3分焼く。

干し魚介の活用レシピ

自家製なら干物とはひと味違う、セミドライ特有の味と食感が楽しめる。

「下処理済みのものを購入すれば手軽。肉と同様に下味をしっかりつけて」(重信さん)。

「干しあじと長ねぎのアヒージョ風」と「干しいかとセロリのマヨ和え」
「干しあじと長ねぎのアヒージョ風」(左)と「干しいかとセロリのマヨ和え」(右)
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「干しあじと長ねぎのアヒージョ風」のレシピ

干したあじの風味が溶け出たオイルが絶品。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】ボウルに水2と1/2カップ、酒・塩各大さじ2を入れてよく溶かし、あじの3枚おろし3〜4尾分を加えて1時間つける。水気をよく拭き、広げて干す。 途中で一度上下を返す。

あじの切り身を液体に絵入れている
あじの三枚おろしは干す前に下味をつける
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【2】【1】のうち2尾分を半分に切る(※残りの干しあじは冷蔵で保存)。にんにく1片は薄切りにし、長ねぎ1本は3cm長さに切り、赤唐辛子1本は種を除いてちぎる。

【3】小さめのフライパンにオリーブオイル1/2カップを中火で熱し、【2】、塩・粗びき黒こしょう各少量を入れ、ときどき上下を返しながら3〜4分揚げ焼きにする。器に盛り、パセリの粗みじん切り1枝分(10g)を散らす。

「干しいかとセロリのマヨ和え」のレシピ

いかの濃厚な旨みとセロリの爽やかさが好相性。

《作り方》(作りやすい分量)
【1】ボウルにしょうゆ・酒各大さじ1/2、おろししょうが・砂糖各小さじ1を入れて混ぜる。するめいか(開いてわたと目、口を除いたもの)1杯を加え、ときどき上下を返しながら20分おく。汁気をよく拭き、広げて干す。

【2】グリルなどで【1】を火が通るまで焼いたら、焼き色がつくまでさらに3〜4分焼く。取り出して粗熱を取り、胴ははさみなどで粗く裂き、足は適当な長さに分ける。

【3】セロリの茎1/2本は斜め薄切り、セロリの葉3〜4枚はざく切りにし、【2】とともにマヨネーズ大さじ1で和える。

◆教えてくれたのは:料理研究家・重信初江さん

赤いエプロンをした女性
料理研究家の重信初江さん
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身近な食材を使った、素材の味が楽しめるレシピが好評。『干し野菜の作り方&レシピ104』(主婦と生活社)など著書多数。

撮影/澤木央子 スタイリング/久保百合子 取材・文/平井薫子

※女性セブン2025年1月30号

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