
暑さや湿気からくる夏特有の不調は、薬膳の知恵とエスニックの香りでやさしくメンテナンス。体の内側から元気になれる、滋養たっぷりのスープレシピをご紹介。
食欲が落ちがちな夏こそ、身近な食材の力で体を整える、薬膳がおすすめ、と国際薬膳師・栄養士・料理家の増子友紀子さん。
「薬膳レシピは胃腸を温めて消化を助け、気を補って体力を回復させるなど、夏の不調にやさしく寄り添ってくれます。そこにエスニックの風味を少し加えることで、食欲が促され、体調の改善にもつながりますよ」
食で養生しながら、エスニックの新鮮な味わいも楽しんで。
「えびと冬瓜・はと麦のレモングラススープ」のレシピ
さわやかな香りで疲労感をやわらげ、胃腸を整える。
《作り方》(2人分)
【1】えび8尾は殻をむいて背わたを取り、包丁で軽く叩いて粗くつぶす。
【2】鍋に水21/2カップ、包丁の背で叩いて香りを出したレモングラス(生)1本(※乾燥の場合、大さじ2〜3をだしパックに入れて使用)を入れ、弱火で5分ほど煮て香りを立たせる。
【3】皮をむきひと口大の角切りにした冬瓜200g、ゆでたはと麦大さじ3を加え、中火で10分ほど煮る。
【4】【1】を加え、あくを取りながら2〜3分煮る。
【5】ナンプラー大さじ2、塩少量で味を調える。
【6】器に盛り、パクチー適量をのせる。
《体整えポイント》
冬瓜はむくみの解消を助け、体にこもった熱をやさしく排出。
はと麦は、胃腸の調子を整え肌荒れを防ぐほか、体内の余分な水分を流してくれる。レモングラスの香りは、気を巡らせ、疲労感をやわらげる。
《レモングラス(乾燥)・はと麦》
レモングラスは、柑橘類の香りがするハーブ。トムヤムクンなどでよく使われる。はと麦は食用のほか、漢方薬としても使われる穀物。
胃疲れや食欲不振に
胃が疲れて食欲がないときは、胃に負担をかけずに食欲をサポートするスープがおすすめ。脂が多い食材は控えめに。
「鯛と豆苗のスープ」のレシピ
さわやかなライムとこぶみかんの香りで風味アップ。

《作り方》(2人分)
【1】鯛(皮付き)2切れに塩少量をふり、5分ほどおいたらキッチンペーパーで水気を拭く。
【2】鍋に水2カップ、ちぎったこぶみかんの葉2枚、ナンプラー小さじ2、塩小さじ1/4を入れ火にかける。
【3】煮立ったら【1】をそっと入れ、弱火で4〜5分煮る。
【4】根を切り落として半分に切った豆苗1袋(200g)を加え、さっと火を通す。
【5】器に盛り、輪切りにしたライム1/2個と糸唐辛子適量をのせる。
《体整えポイント》
鯛は胃腸の働きを助けて消化吸収力を高め、疲労回復に効果的。気の巡りを良くし、胃の重さやストレスをやわらげるこぶみかんを加えることで、より内側から整える力が高まる。
《こぶみかんの葉》
柑橘類の1種。タイ、マレーシア、インドネシアなどの料理に使われる。使うのは実ではなく葉。生や乾燥タイプがある。