《医師が“おすすめしない”検査》「腫瘍マーカー検査」「PET/CT検査」はがんと診断された人に行う検査、「大腸カメラ」は5〜10年に1度で充分…デメリットを考慮すべき検査とは

健康寿命の延伸が目指される中、あらゆる病気は早期発見、早期治療が是とされている。また、医療技術の進化によって、かつては治らなかった病気も、治るようになってきた。しかし、時に判断を間違えればその治療が寿命を縮めてしまうこともある。そこで、慎重に検討すべき検査について専門家に取材した。【全3回の第3回。第1回から読む】
10万円かかるのに無意味な検診も
病気を早期発見しようと健康意識が高まりいろいろな検診を受ける人も多いが、医師が避けるべきだと注意する検診も多い。がんを“早期発見する”などとうたわれる「腫瘍マーカー検査」と「PET/CT検査」はおすすめしないと話すのはナビタスクリニック川崎院長の谷本哲也さんだ。
「腫瘍マーカーはがんと診断された後のチェックには必要ですが、前立腺がんのPSA値以外は早期発見には有用ではなく、ほとんど意味がありません。この検査で異常が出ても、また別の検査をすることになるだけです。PET/CT検査は高収益なので病院側が推奨して検査のメニューに入っていることもありますが、個人的にはおすすめできません。腫瘍マーカーと同じく、がんだと診断された人に行う検査です。それなのに10万円ほどの費用がかかります」
人間ドックにある内視鏡検査(大腸カメラ)も、毎年やる必要はないという。
「ポリープができやすい家族歴を持つ人は例外として、ポリープがないと確認できた後は、高齢になってからがんができる可能性は低いので、5〜10年に1度で充分です」(谷本さん)
嫌がる人が多いバリウム検査も、がまんしてまで受けるメリットはないという。二本松眼科病院副院長の平松類さんが言う。
「胃がんを見つけるためなら内視鏡検査(胃カメラ)の方が精度は格段に高いといえます。検査の不快感も大きく、腸内で硬化して便秘や腸閉塞を招くこともある。がまんしてまで検査を受けるメリットはありません」

同じく意味がないと医療経済ジャーナリストの室井一辰さんが指摘するのが、CT検査だ。
「がんの発見や、転んで頭をぶつけた場合、脂肪量の測定などあらゆる分野で導入されますが、被ばくのデメリットを考えれば、受けることが体に害を与えるケースもあることを忘れてはいけません。従来のCTに比べて少ない被ばく量で肺がんを発見できるとされる低線量CTは、多くの喫煙歴を持つ人には肺がん検診の目的で推奨されます。
しかし喫煙の少ない人や非喫煙者であれば受ける必要はありません。被ばくを伴うほか、偽陽性が出るなど心身に不要な負担をかけてしまうこともある。特に非喫煙者であれば胸部CT検査を受ける必要はないです」
自分にとって本当に必要な医療を受けるため、避けるべき医師の特徴はあるのか。
「合併症や副作用などネガティブな情報を言わない医師は要注意です。質問したら怒り出したり、相談に乗ってくれない場合は、セカンドオピニオンを考える、主治医を変えるなども検討しましょう」(室井さん)
高い効果が見込めると自由診療を推す医師も要注意。
「特に眼科の場合は自費の治療が組み合わされやすい。患者の相談に乗ってくれない医師は避けるべきだと思います」(平松さん)
不必要な手術と検査で健康や大事なお金を損なわないように気をつけてほしい。

※女性セブン2026年3月5日号