料理・レシピ

旬の枝豆をもっとおいしく!選び方と茹で方のコツを野菜ソムリエプロが伝授

ザルに乗った枝豆
おいしい枝豆の選び方や調理法を紹介!(Ph/photoAC)
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一年中冷凍で販売している枝豆ですが、旬は夏です。新鮮な生の枝豆が出回るこの時期ならではの豊かな香りや甘み、食感を楽しんでほしい、と野菜ソムリエプロの福島玲子さんは言います。そこで、枝豆を買うときの選び方や茹で方のコツを聞きました。

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鮮度にこだわる枝豆の選び方

「採る前にお湯を沸かす」と農家さんが言うほど、足が早いのが枝豆の特徴です。なので、まずは新鮮なものを選ぶことが第一。その上で、甘みの詰まったものを見定めましょう。

新鮮な枝豆を選ぶときのポイント

枝豆を買うときは、枝付きのものを選ぶのがおすすめです。サヤを枝から外すとどんどん鮮度が落ち、日持ちもしなくなるからです。枝に残っている葉が緑色で青々としていれば鮮度がいいサインです。

枝付きの枝豆
枝豆を買うときは枝つきがおすすめ(Ph/イメージマート)
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もし枝付きではない枝豆を買うときは、サヤが緑色で、毛がしっかりと立っていると新鮮といえます。枝やサヤが茶色や黄色になっているものは鮮度が落ちているので、避けるようにしましょう。

甘みが詰まったおいしい枝豆の特徴は?

サヤがふっくらして実の存在感があるものは、甘みも詰まっていておいしい枝豆の証です。サヤが痩せているものは、実が小さく味も薄いものが多いです。

枝付きであれば、枝の節と節の間隔が狭く、サヤが密生しているものを選ぶといいですよ。まばらなものは日当たりが悪かったり肥料のバランスが良くなかったりといった可能性が考えられますので、甘みも弱くおすすめできません。

枝豆の正しい保存法&茹で方

枝豆を保存するなら調理してからが鉄則。やむを得ず、すぐに茹でられないときの保存方法もお教えします。

買ったらすぐに茹でておいしいまま保存

枝豆は時間が経つと、豆がやせて甘みが失われていきます。茹でた翌日に食べるなら、冷蔵保存でもそれほど味は落ちませんが、翌日までに食べられないなら、手に入れたその日のうちに茹でて冷凍保存するのがおすすめです。冷凍保存したものは1か月程度を目安に食べきりましょう。

器に入った冷凍の枝豆
枝豆は冷凍で1か月ほど保存可能(Ph/photoAC)
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固茹でしたあとによく水気を切り、保存袋に入れて冷凍しましょう。冷凍するときは、サヤつきのままでも、サヤから実をとってもOKです。食べるときは自然解凍がおすすめです。

茹でられないときは乾燥を防ぐのが保存のコツ

すぐに茹でられないときは、枝豆が乾燥しないように新聞紙にくるみ、さらにビニール袋に入れて冷蔵庫へ。枝付きのものは、サヤを取らずに枝ごと保存したほうが鮮度の低下を防ぐことができます。その場合ももちろん、できるだけ早めに茹でるようにしてください。

プロ直伝!枝豆の正しい茹で方

枝豆を茹でるとき、分量を量らず適当に塩を入れていませんか? 塩の分量にこだわるとよりおいしくいただけます。また、よりジューシーな甘みを味わえる蒸し茹でという方法もあります。それについて紹介しましょう。

下処理と茹でるときの塩加減のコツ

枝豆を塩茹でするときは、枝からサヤを切り落とし、塩をふりかけてよくもみ、産毛や表面の汚れを取り除き水洗いをして茹でると、枝豆の発色も良くなりきれいに茹であがります。

枝豆を茹でている
塩分濃度4%のお湯で茹でるのがベスト(Ph/photoAC)
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そして、塩分濃度4%(水500ccに対し、塩20g)のお湯が沸いたら洗ったサヤを鍋に入れ、かたさを確認しながら3~4分程度茹でましょう。茹でる前にサヤの両端を少し切っておくと、塩分が豆に行き渡りやすくなります。

電子レンジ調理の場合は洗った枝豆約200gと水50cc、塩2gを電子レンジ対応のボウルなどに入れて、ラップをかけ、まず1分加熱します(600w)。ボウルを一旦取り出して中身を混ぜてから、さらに1分温めると、かたさにばらつきが出づらいです。

また、茹でた枝豆を水にさらすとサヤが水を吸収して水っぽくなるので、茹であがったらそのまま置いて常温で冷ましましょう。

茹でたての枝豆
茹でた枝豆は水にさらさないこと(Ph/photoAC)
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豆の味を濃くいただける蒸し茹でもおすすめ

少量の水で調理する蒸し茹では、フライパンに枝豆200gをサヤのまま入れ、水50ccと塩2gをふりかけて、中火で5分加熱するだけです。うまみが水に流れ出しづらいので味が凝縮されて、食感もしっとりと仕上がります。

塩分濃度は4%がベスト

浸透圧で豆がちょうどよいかたさやちょうどいい塩味になるのが塩分濃度4%です。また、これよりも濃度が高いと豆やサヤがかたくなってしまいます。

◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん

野菜ソムリエの福島玲子さん
野菜ソムリエプロ・福島玲子さん
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ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。https://ryufrei.com/

構成/イワイユウ

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