美肌のカギをにぎるのは洗顔。でも、間違ったやり方で肌を痛めている人が多いそうです。『医者が教えるすごい美肌循環』(アンノーンブックス)の著者で、テレビや美容雑誌など多くのメディアで話題のアンチエイジングドクター・日比野佐和子さんに、とっておきの洗顔法を教えてもらいました。
「熱いお湯」「ゴシゴシ洗い」は厳禁!“泡を動かす“優しい洗顔を
スキンケアの基本であり、ファーストステップでもある洗顔。「洗う」という行為だからこそ、「きれいに」という思いでつい力がはいってゴシゴシと洗ってしまう人も多いかもしれませんが、日比野さんはこの「ゴシゴシ」は絶対NGと警鐘を鳴らします。
「美肌になりたいのなら、洗顔をする際のいちばんのポイントは『ゴシゴシこすらない』ことです。こすり洗いをすると、肌を傷つけることになり、肌荒れを起こすこともあります。手にとった洗顔料はよく泡立ててから顔にのせ、肌の表面で泡を転がすように優しく洗うのが基本です」(日比野さん・以下同)
32~38度の人肌程度のぬるま湯ですすいで潤いを守る
一般的には、32度前後のぬるめのお湯が良いが、顔の部位によって、状態によって違う。ニキビのできやすいおでこや鼻などテカリが出やすい部位、オイリー肌の人には、36度から38度のお湯がおすすめ。
お風呂で洗顔をする際は、バスタブには40度前後のお湯がはいっている家庭が多いと思います。シャワーも同じくらいに設定しているかもしれませんが、洗顔に使うお湯は人肌程度、32~38度がベストだといいます。
「40度前後の高めのお湯は洗顔には不向き。お湯の温度が高すぎると、肌に必要な潤い成分となる皮脂まで洗い流すことになるからです。ぬるま湯を優しくかけ、すすぎ残しがないよう細部まで丁寧に洗顔料を落としましょう」
乾燥スピードが加速する洗顔後の保湿は5分がタイムリミット
洗顔はあくまで肌を浄化する行為。洗顔で肌を乾燥させてしまっては本末転倒です。保水や保湿は洗顔後5分以内がベストだそうです。
「洗顔後はできるだけ早く化粧水で保水し、乳液などで保湿しましょう。タオルドライから保湿までのタイムリミットはたったの5分。時間が経つにつれ、肌内部の潤いがどんどん蒸発していきます。保水と保湿は早ければ早いほどいいです。
もともと私たちの肌は、表皮の角質層では水分と油分の層がミルフィーユ状に重なって構成された『ラメラ構造』になっています。肌のバリア機能を保つためには、洗顔後に水分と油分の両方をしっかり補う必要があるのもそのためです」
入浴後もドライヤーより先に保湿を!
これは洗顔後だけではなく、お風呂から出たあとにも言えること。
「入浴や洗顔後は急速に乾燥が進みます。お風呂から上がってドライヤーで髪を乾かしたり、ボディケアをしたりする前に、とにかく肌の保水と保湿を最優先で行いましょう」
◆教えてくれたのは:アンチエイジングドクター・日比野佐和子さん
内科医、皮膚科医、眼科医、アンチエイジングドクター(日本抗加齢医学会専門医)。アンチエイジングの第一人者として、基礎研究から最新の再生医療の臨床にいたるまで幅広く国際的に活躍。テレビや雑誌などにも数多く出演。2022年3月、美肌になるためのエイジングケアについて解説した『医者が教えるすごい美肌循環』(アンノーンブックス)を出版。10月には、フェムテックと女性のからだについてまとめた『医者が教えるすごい生理循環』を発売。https://yss-clinic.jp