ごちそうを食べる機会が増える年末年始を前に、今から太りづらい体に整えておきましょう。気温が低くなる秋冬は、代謝を高めて痩せ体質を作る絶好のチャンスだと、漢方にも詳しい管理栄養士の小原水月さんは言います。そこで、代謝アップのための生活習慣や食事、ダイエット効果が期待できる漢方薬について教えてもらいました。
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秋冬は代謝が上がる
代謝とは栄養素をエネルギーや身体活動に必要な物質に変える作用を指し、とくに安静時に呼吸や血液の循環、排出、体温調整など、生きるために最低限必要なエネルギーを生成することを基礎代謝といいます。
秋冬の過ごし方で痩せ体質になる
秋冬は外気温の低下の影響で、体温を維持するのに必要なエネルギー量が増えるため、基礎代謝が高くなると考えられています。基礎代謝が高まる秋冬に、より代謝を高める生活習慣を身につけると消費エネルギー量が増え、体内に蓄えた脂肪が消費されやすくなります。
秋冬に代謝を上げると1年中太りづらくなる
さらに、この時期に代謝の高い体作りをすることで春夏にエネルギー消費量が落ち込むのを防ぎ、余分なエネルギーをため込みづらくできます。つまり、1年を通して太りづらく痩せやすい体になることができるのです。
秋冬から身につけておきたい代謝アップにつながる生活習慣
基礎代謝が行われる器官の内訳は、筋肉22%、脂肪4%、肝臓、脳などの各臓器の合計74%です。基礎代謝を上げるためには、筋肉と各臓器の機能低下を防ぎ、活発に働くようにすることが必要です。
そこで、毎日の生活のなかでできる、基礎代謝がアップする習慣を実践してみましょう。
座る時間を減らす
特別な運動をしなくても、積極的に日常生活の活動量を増やすことで筋肉を維持できます。ある研究では、非肥満者は肥満者に比べて座っている時間が150分も少なかったと報告されています。
1日1回は外出する、デスクワーク中でも1時間に1回は立ち上がるなど、歩いたり立ったりする場面をなるべく増やしましょう。
食事を抜かない
各臓器を働かせるには食事を摂るのが効率的です。食べ物が口から入ると、胃腸はぜん動運動をして消化・吸収します。
吸収された成分は血液によって全身に運ばれ、肝臓ではエネルギーを産出し、腎臓では老廃物を排出します。これらの働きは、すべて神経を介して脳によって調整されています(https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/55/5/55_309/_pdf)。
このように、食事をすると全身が活発化し、盛んにエネルギー消費が行われるのです。食事を抜くとこれらすべてが働く機会を失い、基礎代謝の低下につながるので、1日3食食べるのが理想です。