女優・大塚寧々さんが、日々の暮らしの中で感じたことを気ままにゆるっと綴る連載エッセイ「ネネノクラシ」。第38回は、寧々さんの「お正月」について。
＊ ＊ ＊
お正月は、元日の朝から忙しい。おせちを用意したり、お雑煮を作ったり。毎年、「新年から慌ただしい～」と思っているような気がする。一昨年の大みそかは年越し蕎麦とおせちを作るのに精一杯で、なんとその日の夕食を考えるのを忘れていた！ あれには、自分でもびっくりした。
お雑煮に入れる大根や人参などは、大晦日に型で抜いたりしているが、それでもいつも忙しい。
でも家族揃って、新年を迎えるのは気持ちが良く安心する。お雑煮は、わが家は関東風の出汁だ。両親ともに関西人なのに、子供の頃からなぜかお雑煮は関東風だった。夫も息子もお雑煮が好きで、お正月は何回も作っている。
私は京風の白味噌のお雑煮も好きだ。沖縄のカフェ「サンスーシィ」で食べてから大好きになった。「山利」の白味噌にゆずの香りがたまらない。だから、だしのお雑煮と白味噌のお雑煮とその時の気分で何回も作る。ゆずは香りもいいし、美味しいし本当に良い事ずくめだ。そういえば、庭にゆずを植えたいと思いつつ、もう何年も経ってしまっているなあ。
おせちは紅白なます、昆布じめ、のし鶏…家族の好きなものを
モチ（トイプードル・女の子）もお正月は味付け前の出汁で煮た鶏肉などをもらい嬉しそうだ。私はお正月の葉ものも大好きだ。南天やウラジロなどがあると、料理も引き立つし、殺菌効果もあってとても嬉しい。たまに買い忘れると、焦ってあちこちのお店で探している。
おせちは、色どりがきれいな紅白なますや、鯛とかいわれ大根の昆布じめ、お煮しめ、数の子、のし鶏など家族が好きなものになってきている。たまにはおせち料理を作るのではなく、どこかの温泉とかでゆっくり新年を迎えたいなあ～と思うのだが、ずっと家で迎えている。
子供の頃は、近所の友達と羽付きをしたり凧あげをしたりしていたなあ。羽付きとかちょっとやってみたい気持ちもするが、バドミントンの羽根さえ空振りするのに、さすがに難しそうだ。昔はあんなに小さい木の板でよく出来ていたなあ～と思う。
羽子板ってどこで売っているんだろう。夫は最近運動不足だから、羽付き誘ってみようかな。やってくれるだろうか？ 凧揚げの方がいいとか言いそうだな。
それにしても、夫と息子は全く運動していない！ 今年の目標として、是非とも二人には運動してもらおう！ 健康大事ですからね。
◆文・大塚寧々（おおつか・ねね）
1968年6月14日生まれ。東京都出身。日本大学藝術学部写真学科卒業。『HERO』、『Dr.コトー診療所』、『おっさんずラブ』など数々の話題作に出演。2002年、映画『笑う蛙』などで第24回ヨコハマ映画祭助演女優賞、第57回毎日映画コンクール主演女優賞受賞。写真、陶芸、書道などにも造詣が深い。夫は俳優の田辺誠一。一児の母。出演映画『Dr.コトー診療所現在』が公開中。