立ち上がったり階段をのぼったりするときに、なんとなく感じるひざ痛。セルフケアで痛みを解消したいと考える人もいるのではないでしょうか。そこで、一次的な痛みの緩和や予防ができるセルフケアの方法、食材・漢方薬についてヨガインストラクターの高橋かなこさんに教えてもらいました。
* * *
中高年のひざ痛の原因は?
ひざ痛の原因のひとつに、ひざ関節のクッションである軟骨がすり減る「変形性膝関節症」が挙げられます。
これには、更年期に起こる女性ホルモンの減少や乱れが関わっている可能性があります。女性ホルモンのエストロゲンには、軟骨の材料になるコラーゲン生成を促進する役割があるためです。そのため、ひざ痛は女性に起こりやすいのです。
また、老化や筋力の低下、肥満、O脚・X脚によっても軟骨がすり減り、変形性膝関節症を引き起こすことがあります。
このように、何らかの原因で軟骨がすり減り、関節同士がぶつかり合って炎症を起こすと、痛みが生じます。ひどい場合には激しい痛みを伴うことがあるため、放置せず、ひざに違和感がある場合は整形外科を受診しましょう。
ツボやストレッチでひざ痛を解消する方法
ひざ痛の予防または、通院しながらのケアとして、ツボ押しとヨガストレッチを紹介します。通院中のかたは医師と相談のうえで実践してみてください。
ひざ痛に効くツボ
血流が悪くなったり、筋肉が凝り固まったりすると、発痛物質の滞りやひざ関節の動きの妨げとなり、痛みを悪化させる可能性があるため、血流を改善し筋肉の緊張をほぐすツボ押しをしてみましょう。
ツボ押しは、痛みの根本的な改善法ではありませんが、一時的に痛みを緩和する効果が期待できます。
・膝眼(しつがん)
「膝眼」はひざを曲げたときにできる皿の下のくぼみに位置するツボで、内側が内膝眼、外側が外膝眼です。
ひざを曲げて両手でひざを包み込み、中指で優しく押しながら5秒かけて鼻から息を吸い、ゆっくりと力をぬきながら10秒かけて口から息を吐きましょう。これを5〜6回程度繰り返します。反対の脚も同様に行ってください。
なお、内膝眼はひざの内側の痛みに、外膝眼はひざの外側の痛みに効果があるといわれているので、痛む方を先述した方法で刺激しましょう。
・委中(いちゅう)
ひざの裏側のくぼみの真ん中に位置します。
まずは、いすに座って片脚を伸ばしてください。ひざの裏側を両手で包み込むように添え、左右の中指を重ねて3秒押したら3秒力を抜きましょう。これを5〜6回程度繰り返します。反対の脚も同様に行ってください。可能な限りひざを伸ばしながら行うのがポイントです。
・血海(けっかい)
ひざの皿の内側の上端から親指2本分上に位置するのが「血海」です。
いすに座ってひざを曲げ、親指の腹で押し込むようにして刺激します。30回程度、両脚を同時に刺激しましょう。