要介護認定を受けたらケアプランを作成
要介護認定を受けたあと。次に行うのがケアプラン作成。ケアプランは本人や家族が作成することも可能ですが、居宅介護支援事業者のケアマネジャーにケアプランの作成を依頼するのが主流です。
「ケアマネジャーは、地域包括支援センター、もしくは市区町村の介護関連課で紹介してもらうことが可能です。自身でインターネット等を使って調べて相談することもできます」
ケアプランが利用者に合わせた介護サービス利用の指針になる
ケアプランは、高齢者が自立した生活を送れるように支援するための計画書で、利用者や家族の意向、支援の方針、利用するサービスの内容や頻度、期間、目標などが細かく記載されています。
「利用者1人ひとりが保険適用内で希望や状況に応じたサービスを受けられるよう、その指針としてケアプランは作成されているのです。利用者は、自分のケアプランに沿って各事業者から介護サービスを利用することになります」
いいケアプランを作成するコツ
いいケアプランを作成するためにおすすめなのが、自身のこれまでの生き方や暮らしを振り返ること。自分の好きなこと、苦手なこと、楽しいこと、やりたくないことなどを整理して書き出してみましょう。
「好きなことや楽しいことをできるだけ長く続けられるように、あるいは苦手なこと、やりたくないことを極力しないで暮らせるように、今の自分にできること、手助けが必要なことを検討してみてください」
相性が合わなければケアマネジャーは変更も可能
ケアマネジャーはケアプランの作成に加え、介護が始まった後も相談相手となってくれるなど、長い付き合いになる存在。しかし、ときには相性が合わないと感じることもあると思います。
コミュニケーション不足が原因の場合もあるため、まずはケアマネジャーと話し合う場を設けたり、気になることを率直に伝えたりすることが望ましいですが、それでもうまくいかないと感じる場合は、ケアマネジャーの変更も検討しましょう。
「ただし、信頼関係の構築には時間が必要なので、ちょっと気に食わないことがあっただけで、次から次へとケアマネジャーを替えるのは、おすすめしません。お互いにコミュニケーションを取り合って、しばらくは信頼関係を構築することに尽力してみましょう」
◆教えてくれた人:看護・介護ジャーナリスト・坪田康佑さん
つぼた・こうすけ。2005年慶應義塾大学看護医療学部1期卒業。国際医療福祉大学医療福祉ジャーナリズム分野博士課程在籍。米国Canisium大学MBA取得。ETIC社会起業塾を経て、無医地区への医療提供体制づくりや、問看護師向け雑誌などでの連載、高齢者向け新規事業開発に取り組む。著書に『老老介護で知っておきたいことのすべて』(アスコム)など。