不要品を出品する際の2つのコツ
現金ってすごいよね。「捨てられるものはないか」という目でトランクルームの中を見ると「とりあえずとっておこう」としか思えなかったのに、欲に駆られたらあるわあるわ。
出品するにあたって大事なことは2つあってひとつは売り物になるかどうか。2つ目はいくらなら売れるかよ。その参考になってるのが、最近片付けを始めたという拙著『で、やせたの?』の担当編集者・アヤヤの出品話なの。彼女は近所のリサイクル店に洋服を持っていったら10円とか5円という値づけをされたっていうの。
「ハイブランドではないけれど一着一万円以上した服よ。しかも数年前の服でデザインもそんなに古くなっていないのよ。あまりの安さにいったんは売るのやめようとしたけれど、持って帰ることを考えたらもういいやと思っちゃって」
結局、ただ同然で置いてきたんだって。そうか、そうか。民間の業者だと在庫を抱えるにもお金がかかるからなぁ。
私が出品している千代田区のリサイクルショップは値付けは自分でできるけれどその代わり期限内に売れないと引き取ることになるし、再出品もできない。「千代田区に在住、在勤」「1か月10点まで」「販売価格が1万円を超えるものはダメ」とかいろいろ条件はあるけれど、5点までならまとめて200円の出品保管料で売上金は全額出品者に還付される。今どきここまで条件のいいリサイクルショップは珍しいんじゃないかしら。
アヤヤの体験を肝に銘じて新品のジーンズが2本と未使用のリュック。アヤヤから回ってきたブーツ2足。手作りのポーチ付きバックとゴルフボール一箱。それぞれ1000円で出したの。あと捨てきれなかったニットのベストは300円とか。などなどでもし完売したら9500円なり! うふふ。もしそうなったら最近はノンアルコールで誤魔化しているけれど、思い切って本物のビールで祝杯をあげちゃおうかしら。
「ガラクタ置いていった」と言われないように
それにしても話は変わるけれど東京の変化ってすごいね。私の住む神田はまだ昭和の建物が残っていると、ぶらぶら散歩するたびに楽しかったけれど、それが次々にとり壊されていっている。
ハッとしたのは1月3日の箱根駅伝の待ち時間、日本橋の本屋、丸善の3階から見たら沿道に並んでいる人に若者がいないのよ。よく目を凝らしたらボチボチ混じってはいるんだけど圧倒的に中高年。
「それは日本橋だからじゃない?」と言ったのは六本木ヒルズで待ち合わせした73歳のBF(ボーイフレンド)だ。そう言われてみると六本木ヒルズは若者がほとんどで中高年は2、3割しかいない。
この若者たちが多数派になるころに私はこの世から退場するんだよね。その前に自分のチカラで片付けられるものは片付けたいと切に思う。「ガラクタだけ置いていった」なんて汚名を着せられたらかなわないもの。
◆ライター・オバ記者(野原広子)
1957年生まれ、茨城県出身。体当たり取材が人気のライター。これまで、さまざまなダイエット企画にチャレンジしたほか、富士登山、AKB48なりきりや、『キングオブコント』に出場したことも。バラエティー番組『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)に出演したこともある。昨年10月、自らのダイエット経験について綴った『まんがでもわかる人生ダイエット図鑑 で、やせたの?』を出版。
【382】66歳オバ記者、「取材申し込んだのに…」とライターに言われるも思い出せず 物忘れではなかった「意外な顛末」
【381】66歳オバ記者、定期検診で「膵のう胞」が見つかりモヤモヤな年越し 「気をもんでも答えがすぐ出るわけじゃない」の心境に