
4月1日から日本赤十字社で勤務される天皇皇后両陛下の長女・愛子さま。これまで学業を優先しながら、2024年2月に宮中午餐会デビューをされるなど、成年皇族としてさまざまな活動に取り組まれてこられた。学生最後の日には、季節に合わせたお召し物で素敵な笑顔を見せられた。
桜色の振袖で卒業式にご出席
2024年3月20日に、 学習院大学の卒業式に出席されるため、東京・目白の学習院大学のキャンパスに登校された愛子さま。卒業式当日は、桜や菊、梅などが描かれた桜色の振袖と紺色の袴をお召しになっていた。






卒業式に臨まれる前に取材を受け、「最初の3年間はオンライン授業で、最後の1年間はこのキャンパスに通い、沢山の新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。素晴らしい先生方や友人たちと出会えたこともうれしく、またありがたく思っております」と答えられた。
大学進学後、新型コロナウイルスの感染対策のため、最初の3年間はほぼオンライン授業でご友人に会えない日々が続いていたが、最後の1年は学生生活を謳歌されてたようだ。
また、大学を卒業するにあたり、宮内記者会の質問に文書で回答を寄せられた愛子さまは「高校までの友人たちとの嬉しい再会とともに、大学入学後の新たな友人たちとの交流も始まり、学年の枠を越え、友人たちと一緒に授業を受けたり、直に話をして笑い合ったり、学内の様々な場所を訪れたりしたことは、私にとって忘れることのできない一生の思い出となりました」とお気持ちを綴られた。




日本赤十字社の「青少年・ボランティア課」配属へ
来月から勤務される日本赤十字社では、パートナーシップ推進部 ボランティア活動推進室 青少年・ボランティア課に配属されることも決まった愛子さま。ボランティア活動推進室では、各地にある日本赤十字社の施設などで活動する個人のボランティアの育成や研修などを行うという。





前述の宮内記者会の質問に答えられた文書で、今後の抱負について、以下のように綴られている。
「来月より日本赤十字社の嘱託職員として勤務させていただくことになりましたので、皇族としての務めを果たしながら、社会人としての自覚と責任を持って、少しでも社会のお役に立てるよう、公務と仕事の両立に努めていきたいと思っております」
今後、皇族としての務めがあるときは、その都度検討し、公務と両立しながら勤務されるという。これから成年皇族として、社会人として、さらなるご活躍が期待される。

学習院大学を卒業された愛子さま。2006年に入学された幼稚園から2024年の大学卒業まで、約18年間の「学習院生活」の思い出やエピソードを振り返ります。
幼稚園|初めての運動会や遠足にご参加
2006年4月、学習院幼稚園に入園された愛子さま。入園式には天皇陛下(当時は皇太子)と雅子さまと共に、出席されました。


このとき、愛子さまが肩にかけていたバッグには、当時、飼われていた愛犬、ピッピとまりと思われる2匹の絵柄が刺繍されていました。幼い頃から動物好きだったことがうかがえます。







翌年の2007年2月に開かれた記者会見で、天皇陛下は「愛子の幼稚園の入園は私たちにとって大きな事でした。お陰様で元気に通園しており、幼稚園生活を楽しんでいる様子です。幼稚園の先生方、そしてお友達の皆さんやご家族の皆さんにもとてもよくしていただいており、有り難いことと思います。愛子には今後ともお友達との様々な交流を通して多くのことを学んでいってほしいと思います」と幼稚園でのご様子を述べられました。
2006年10月、初めての遠足では大きなリュックを背負って、雅子さまと手を繋ぎながら東京の新宿御苑をご訪問。2008年3月6日の学習院幼稚園おわかれ遠足は、上皇陛下(当時は皇太子)と上皇后美智子さまのご結婚を記念して1965年5月5日に開園した、横浜市青葉区の自然公園「こどもの国」を訪れました。遠足の際、水筒を肩に斜めにかけられていた愛子さま。リュックの中には雅子さまの手作りお弁当が入っていたのかもしれません。








幼稚園での初めての運動会では、大玉転がしに出場された愛子さま。ハチマキを頭に巻かれ、一生懸命、競技に参加されるご様子を、両陛下がほかの保護者に交じって笑顔で見守られました。







2008年2月21日、卒業前に天皇陛下が幼稚園の思い出を振り返られました。
「2年間にわたった愛子の幼稚園生活も残すところあとわずかとなりましたが、この2年間で心身共に大きく成長したと感じます。幼稚園入園当初は、愛子にとって初めての集団生活でしたが、先生方の温かいご指導の下、すっかり幼稚園生活にも馴染んで、多くの友達もでき、毎日本当に楽しく通園しています。
幼稚園生活では父母が子どもと共に参加する行事も、例えば運動会や参観日などですけれども、そういったものの一つ一つが楽しい出来事でした」
同会見では漢字に興味を持たれるようになったことや、バイオリンやピアノにも関心を示していることが明かされ、ご成長振りに関しては「愛子と一緒に手を洗っているときに、私が手に石鹸を付けている間に、水を出しっぱなしにしてしまい、愛子に水を止めるように注意されたことがあります」と、しっかりとした一面を明かされました。




初等科|6年生の運動会で組体操をご披露
2008年4月、学習院初等科の入学式当日、ツインテールの髪型に、赤いスカーフが結ばれたセーラー服姿を披露された愛子さま。雨の中、入学式にはご一家揃って、歩いて登校されました。



入学式の翌年、2009年2月の記者会見で天皇陛下は学校生活のご様子を以下のように述べられました。
「今や初等科にもすっかり慣れて学校生活を楽しんでおり、心身ともに大きく成長していることが感じられます。学校の体育の授業で教わった縄跳びは、仮御所に帰ってからも愛子の楽しみの一つとなっており、ほとんど毎日練習しているようです。時々私も一緒に練習しますが、最近では二重跳びもできるようになったとうれしそうに報告に来ました」



体を動かすことがお好きな愛子さまは、2013年10月に開催された初等科での最後の運動会で組体操を披露され、参観された両陛下は大きな拍手を送られていました。雅子さまは、愛子さまのご成長に感動されたのか、涙を浮かべられているご様子でした。







2014年2月の会見で天皇陛下が最後の運動会について触れられています。
「昨秋の運動会では、6年生が、初等科生活の集大成として全員で行った組体操に参加し、見事なピラミッドを創り上げるなど、友達と協力して演技をやり遂げたことは、本人にとっても良い思い出となったと思いますし、初等科を卒業してもこのような心に残る思い出を大切にしてほしいと思います」
初等科2年生の愛子さまが学校生活に強い不安を訴えられ、登校ができなくなった際、お一人で通学されるようになるまで、1年7か月にわたって、雅子さまが登校に付き添われていました。困難な状況を乗り越えられ、クラスメイトと協力し合いながら組体操に取り組まれた愛子さまのお姿は、両陛下にとって、感慨深かったことでしょう。





中等科|戦争について学ばれ、平和をテーマの作文をご執筆
学習院女子中等科に進学され、セーラー服のスカーフは赤から青に変わりました。入学式の前に、記者団の取材に応じ、笑顔で「楽しみにしています」とお気持ちを述べられた愛子さま。



2016年2月の記者会見で天皇陛下が、2015年7月に愛子さまと戦争関連の展示施設を訪問されたことについて触れ、愛子さまのご様子を明かされました。
「関連の展示などを一緒に見学した後には、新聞記事やテレビの特集番組などを色々調べるなどして学校の課題にも熱心に取り組む姿を見て、中学生としての自覚がいっそう高まってきたように思います」
2016年5月、中等科3年生の修学旅行で広島へご訪問。そのときに感じられたことを綴られた「世界の平和を願って」というタイトルの作文を卒業文集に寄せられました。
作文の文末では《唯一の被爆国に生まれた私たち日本人は、自分の目で見て、感じたことを世界に広く発信していく必要があると思う。「平和」は、人任せにするのではなく、一人ひとりの思いや責任ある行動で築きあげていくものだから。「平和」についてさらに考えを深めたいときは、また広島を訪れたい。きっと答えの手がかりが何か見つかるだろう。そして、いつか、そう遠くない将来に、核兵器のない世の中が実現し、広島の「平和の灯」の灯が消されることを心から願っている。》と綴られました。
中等科を卒業されて7年後、2024年1月の「歌会始の儀」で、雅子さまが平和をテーマに卒業文集を書かれた愛子さまについて、詠まれました。
《広島をはじめて訪(と)ひて 平和への深き念(おも)ひを吾子(あこ)は綴れり》
天皇陛下の記者会見のお言葉や雅子さまの和歌から、当時、戦争について学ばれ、平和を願われる愛子さまのご様子から、大きな成長を感じられたことがうかがえます。


高等科|夏休みはイギリス留学へ 海外からのゲストと英語で会話も
愛子さまが海外へご関心を持たれ始めたのは、高等科のころ。2018年2月の会見で天皇陛下は「外国からのお客様が東宮御所にいらした時には、愛子も少しずつ英語でのお話に加わる機会が増えており、海外に対する関心も膨らませています」と述べられました。



高等科2年生の夏休み、2018年7月22日〜8月9日までの3週間にわたり、イギリスの名門、イートン・カレッジのサマースクールに参加された愛子さま。寮生活を送りながら、英語やイギリス文化を学ばれました。
イギリスから帰国後、住まいの東宮御所の正門前を車で通過する際、報道陣の「いかがでしたか?」という問いに対し、車の中から笑顔で「楽しかったです」と答えられました。
2024年2月9日、初めての宮中午餐会に出席された愛子さま。ケニア大統領夫妻との昼食会では、隣に座ったケニアの閣僚に英語で声をかけられ、大統領夫妻と挨拶された際には、スワヒリ語も披露されたそうです。このときの堂々とした立ち振る舞いは、高校生活から英語や海外文化を学ばれたことが影響しているのかもしれません。


大学|ハートペンダントはご友人からのプレゼント
2020年4月に学習院大学文学部に進学されるも、新型コロナウイルスの感染対策のため、初登校は、同年の10月でした。報道陣から「初めてのキャンパスはいかがですか?」の問いに以下のように答えられました。
「半年遅れではありますが、キャンパスを実際に訪れ、先生方や学生の皆さんにお会いできることをうれしく思います。大学では新しい知識を得た時に感じられる喜びを大切にしながら、様々なことに取り組んでいければと思っております。また、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、皆様が普段通りの生活や活動ができるようになることを心より願っております」
初登校後も通学を控え、ほぼオンライン授業だった3年間は、ご友人に会えない日々が続いていました。

21歳の誕生日を迎えられた際に公開された映像で、愛子さまは中・高校時代のご学友からプレゼントされたAのイニシャルが彫られたハート形のシルバーペンダントを身につけられていました。




2023年4月から通学をスタートされ、キャンパスに登校された愛子さま。最後の1年間は、ご友人とのキャンパスライフを楽しまれたのかもしれません。
ご卒業後の4月からは日本赤十字社の嘱託職員として勤務される愛子さま。学生時代のご経験を生かし、今後は、新社会人としてのご活躍が期待されます。








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