家事・ライフ

薄井シンシアさん「私は生きがいを捨てました」生きがい探しに苦しむぐらいなら要らない

薄井シンシアさん
薄井シンシアさん「生きがいを捨てた」という理由は?
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薄井シンシアさん(65歳)に「生きがい探しに苦しむことはありませんか?」という質問をぶつけたら、「捨てた」という言葉が返ってきた。17年間の専業主婦を経て、現在は外資系企業で働くシンシアさんは、なぜ生きがいを捨てたのか? 用意周到に準備したあとに直感を信じる心境とは?

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ワークショップで「好きなこと」が見つからない

私は60歳になる直前に、「生きがい探し」という問題に直面しました。周りの人たちは「生きがい、生きがい」というけれど、私の生きがいって何だろう? 私は何のために毎朝起きるんだろう? と考えたのです。

悶々としているのは嫌だから、すぐに知り合いが開催している「生きがい」を考えるワークショップに参加しました。4時間1コマで1万円。新型コロナが蔓延している時期だったのでオンライン参加です。

ワークショップでは4つの質問をされました。「好きなことは何か?」「あなたができることは何か?」「あなたが他人からお金を払ってもらえることは何か?」「世の中があなたに求めるものは何か?」

生きがいを捨てた

「好きなことは何か?」という質問以外は、すぐに答えられました。私が好きなことは子育てで、それは過去のことだから生きがいにできない。ほかの参加者は、セミナーで何かを見つけていたけれど、私は答えを見つけられなかった。

でもそのとき、「私には好きなことがない。それなら『好き』という感情を無視して、ほかの3つの共通点を突き詰めればいいや」と感じました。だから私は生きがいを捨てました。生きがい探しに苦しむぐらいなら、生きがいはいりません。

薄井シンシアさん
生きがい探しに苦しむぐらいなら、生きがいはいらない
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残りの3つに共通していたのは「女性の復職サポート」と「ビジネスになるもの」でした。だから、生きがいを捨てて、タスクのために生きることにしました。タスクはスーパーのレジ打ちでも、友達との約束でもなんでもいい。タスクの中で一番サボれないものは相手がいるタスク。相手との約束があれば、嫌でも起きなくてはいけないでしょう? だから私が現れないと相手が困る状態に自分を追い込むように工夫しました。

直感に従って間違えたことは1つもない

私は物事を深く考えたあとは、直感を大事にしています。昔から、そういう傾向はあったけれど、最近ますます強くなった気がします。65歳になりましたが、私は幼いときから、いつも周りと違うことをしようとして叩かれながら生きてきました。

例えば、父は「女なんだから早く結婚したほうがいい。勉強なんてするな」という考えの人でした。だから私は父の考えに逆らう。一度逆らえば、自分の道を走るしかないじゃない? 自分が選んだ道が正しい道かどうかは数年後にわかるんだけど、大抵は間違えていない。60数年間生きてきて、間違ったことなんか1つもないと感じています。だから自分の中では、私が周りに逆らっているというよりも、時代が私に追いついていないだけだと思っています。