舌の違和感解消に役立つ食材
舌の違和感を解消するには、栄養バランスのいい食事を心がけながら、とくに亜鉛を多く含む食材を摂りましょう。
亜鉛の1日の摂取の推奨量は、18~74歳の男性で11mg、75歳以上の男性で10mg、18歳以上の女性で8mg(厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000586568.pdf)となっています。
亜鉛の含有量の多い食材には、豚レバーや牛赤身肉などの肉類、牡蠣、しらす、あじ、さば、いわしなどの魚介類、かぼちゃの種やくるみなどの種実類などが挙げられます。日頃から豚レバーや牛赤身肉、しらすなどの食材を積極的に取り入れましょう。
また、亜鉛を摂る際は、クエン酸やビタミンC、動物性たんぱく質といっしょに摂取すると吸収率があがります。牡蠣とレモンを組み合わせたソテーやパスタ、くるみと肉を組み合わせたサラダなど、組み合わせを意識したメニューにするといいでしょう。
逆に、食物繊維やフィチン酸、加工食品の添加物(ポリリン酸)は、亜鉛の吸収を阻害します。亜鉛の含有量が多い食材を摂取するときは、食物繊維が豊富な野菜、海藻類、フィチン酸を含むとうもろこしやごま、いんげん豆、ポリリン酸を含むハムやソーセージなどは控えめにするといいでしょう。
舌の違和感改善には漢方薬も役立つ
舌の違和感には、「自律神経のバランスを整える」、「抗ストレス作用でストレスを軽減する」、「水分の循環をよくして舌に潤いを与える」といった作用のある漢方薬で、不調の根本改善を目指す方法もあります。
おすすめの漢方薬
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
不足した栄養を補い、エネルギーの流れをスムーズにすることで自律神経のバランスを整えます。イライラやのぼせといった更年期症状や、ストレスによる不調などに用いられる漢方薬です。
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)
胃にこもった熱を取ることで胃腸機能の働きを高め、のどや気管などの呼吸粘膜に潤いを与えます。口腔内の乾燥にも働きかける漢方薬です。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、よい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれた人:薬剤師・山形ゆかりさん
やまがた・ゆかり。薬剤師、薬膳アドバイザー、フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ。牛角・吉野家ほか薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信する「Medical Health -メディヘル-youtubeチャンネル」(@medicalhealth–7900)で簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でも薬剤師としてサポートを行う。