ホルモンバランスの乱れによる不調改善に役立つ食材
ホルモンバランスの乱れによる不調を改善するには、エストロゲンと似た作用がある大豆イソフラボンを多く含む食品を摂り、エストロゲンの不足を補うのがよいです。
納豆や豆腐、豆乳、みそなど和食には大豆食品が多いので、毎日の食卓を意識してみましょう。
ただし、食品として摂取する大豆イソフラボン量の目安は1日40〜45mg(食品安全委員会「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A」https://www.fsc.go.jp/sonota/daizu_isoflavone.html)とされているため、摂りすぎには注意が必要です。納豆なら1日1パック、豆腐なら1日半丁ほどが適量です。
ホルモンバランスの乱れによる不調には漢方薬も役立つ
ホルモンバランスの乱れによる落ち込みやイライラといった精神的な不調には、「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「鎮静作用で精神を安定させる」といった作用のある漢方薬を選び、改善を目指します。
おすすめの漢方薬
・加味逍遙散(かみしょうようさん)
体のエネルギーの巡りをよくして精神を安定させるとともに、不足した血流を補って婦人科系の不調に働きかけます。気分の落ち込みやイライラなどの精神的な症状やホットフラッシュ(のぼせ)に用いられます。
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
体内のエネルギーの流れをよくして体の熱を冷まし、イライラや神経の高ぶりを鎮めます。精神不安、動悸や不眠などの症状に用いられます。
漢方薬を始める際の注意点
漢方薬は食事の工夫などでは不調が改善しなかった人でも、効果を感じる場合が多くあります。
ただし、漢方薬はその人の体質に合っていないと、いい効果が見込めないだけでなく、副作用が起こることもあります。自分に合う漢方薬を見つけるために、服用の際は漢方に詳しい医師や薬剤師に相談するのが安心です。
◆教えてくれたのは:医師・木村 眞樹子さん
きむら・まきこ。医師。 都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。 自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。 症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」(https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/)でもサポートを行う。