エンタメ・韓流

恋人との別れで「消えゆく愛」を歌ったオフコース『秋の気配』に涙 恋も四季も「変わりめ」のときに切なさと輝きが生まれる

コーラスが美しいオフコースの歌は、カラオケで挑戦したくなる(1982年発売の『YES-YES-YES』)
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彼らの音楽には四季がある

細い細い愛の糸で綴られた刺繍のようなオフコースの楽曲。彼らの音楽には四季がある。

しかしここ数年の夏、秋を感じる時期が、どんどん短くなっている。近い未来、「秋の気配」をすっ飛ばし冬になりそうだ。もしかしたらいつか、秋そのものがなくなってしまうかもしれない。

思えば、オフコースは、4thシングル『僕の贈りもの』(1973年)でも、春と秋の“中途半端さ”が心にもたらす変化を歌っていた。

恋も四季も、中途半端なときが、一番ドラマチックなのかも。それを失いたくないから、今改めてオフコースを心が求めるのかもしれないなあ、と思う。

「変わりめ」のときに生まれた切なさや輝きを、記憶から呼び起こすために。

◆ライター・田中稲

田中稲
ライター・田中稲さん
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1969年生まれ。昭和歌謡・ドラマ、アイドル、世代研究を中心に執筆している。著書に『昭和歌謡 出る単 1008語』(誠文堂新光社)、『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)がある。大阪の編集プロダクション・オフィステイクオーに所属し、『刑事ドラマ・ミステリーがよくわかる警察入門』(実業之日本社)など多数に執筆参加。新刊『なぜ、沢田研二は許されるのか』(実業之日本社刊)が好評発売中。他、ネットメディアへの寄稿多数。現在、CREA WEBで「勝手に再ブーム」を連載中。https://twitter.com/ine_tanaka

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