料理・レシピ

プロが教える「野菜と果物の正しい洗い方」 ごぼうをゴシゴシ洗うのはNG、にんじんは皮はむかなくていい、ぶどうは房から外してやさしく洗う

ごぼうを洗っている写真
ごぼうをゴシゴシ洗うのはNG(写真/PIXTA)
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野菜の価格が高騰するなか、無駄にせずに食べきりたいとは誰もが思うこと。毎日の食生活に野菜が欠かせないのは、豊富な栄養素を含み体を整えてくれるから。しかし、“間違った食べ方”をしていたら、その効果は半減してしまう。知っているようで知らない野菜の常識を紹介する。

野菜の栄養素は断面から流れ出てしまう

日々の生活で、「便秘を解消したいから食物繊維を」「風邪予防にビタミンC」「むくみをとりたいからカリウムが豊富なもの」と、野菜や果物の持つ栄養素を気にする人は多い。しかし、その栄養を余すことなく摂れている人はどれくらいいるだろうか。たとえば、埼玉県在住の主婦・Aさん(58才)の場合を見てみよう。

「健康のため、毎日サラダを食べることを習慣にしていてレタスを使うことがよくあります。シャキッとした食感が好きなので、ちぎった後は食べる直前まで水につけておく。それから、腸活のために根菜ときのこたっぷりの豚汁を作ることも多く、ごぼうの泥を落とすのが結構大変。ごしごしこすって皮が白っぽくなるまで洗い、あく抜きのために水につけておくなど下準備に時間はかかりますが、たくさん作っておけば数日食べられるので重宝します」

野菜を積極的に摂っていても、Aさんのやり方では“もったいない”ことがいくつかある。野菜ソムリエの福島玲子さんが言う。

「ごぼうの皮はごしごし洗うのではなく、たわしなどで軽く洗った方が栄養素の流出を防ぎます。野菜の栄養素は断面から流れ出てしまうため、レタスも細かくちぎってから水に長く浸すと、それだけ栄養素は出て行ってしまいます。キャベツも同様で、千切りにしてから水につけるという人がいますが、長時間つけすぎないようにしましょう」

レタスも細かくちぎってから水に長く浸すと、それだけ栄養素は出て行ってしまいます
レタスも細かくちぎってから水に長く浸すと、それだけ栄養素は出て行ってしまう(写真/PIXTA)
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栄養は皮や種の周りにある

管理栄養士で健康検定協会理事長の望月理恵子さんも続ける。

「ごぼうは皮のところにポリフェノールや食物繊維が豊富に含まれるため、ごしごし洗うと栄養素がそぎ落とされてしまいます。ごぼうの皮をむくというかたもいるようですが、それではごぼうを食べる意味がほとんどなくなってしまう」

皮に栄養が多いのは、ごぼう
皮に栄養が多いごぼう(写真/PIXTA)
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皮に栄養が多いのは、ごぼうだけではない。野菜や果物の多くは、皮や種の近くにこそ栄養がある。

「大根やにんじんの皮を厚くむきすぎるのはもったいないです。汚れていなければ、大根は皮も調理して食べられます。にんじんは大根よりも皮の食感が気にならないので、栄養価を考えれば皮をむかずに食べてほしいです」(福島さん・以下同)

栄養価を考えれば皮をむかずに食べてほしい
にんじんは栄養価を考えれば皮をむかずに食べて(写真/PIXTA)
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じゃがいもやれんこんも、たわしを使って泥を落とせば皮のまま食べられる。ただし、じゃがいもの芽には天然毒素が含まれるため芽はしっかり除くこと。一方、洗いすぎないどころか、“洗っていけない”ものもある。

「きのこを洗うのはNG。栄養素が流れ出てしまうのもそうですが、風味が落ちてしまい水っぽくなってしまいます。そのまま調理していいですし、汚れが気になるならキッチンペーパーで拭く程度で大丈夫です。

きのこを洗うのはNG
きのこを洗うのはNG(写真/PIXTA)
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それから、きのこを生のまま食べることは推奨されません。きのこは胞子が成長した菌類で、細菌や寄生虫などが存在する可能性もあるためそのまま体に入れない方がいい。マッシュルームだけは例外で、毒素や有害物質が含まれていないといわれています」

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