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《補助金終了で大ピンチ》ガソリン代を節約するテク 「入れる前に比較サイト活用」「エコドライブで燃費の向上」

長野県にあるガソリンスタンドのガソリン価格表示パネル
1月、長野県長野市のガソリンスタンドではレギュラーガソリンが194円/Lに(写真/PIXTA)
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水道光熱費に野菜、米…止まらない物価高に悲鳴が止まらない。そんな中、車が生活の一部になっている人には「ガソリン代の高騰」という悩みが重くのしかかる。しかし、嘆いてばかりはいられない。細かな裏ワザを駆使すれば、車と財布の燃費がよくなります!

いますぐ実践すれば年間数万円の節約も

政府は昨年12月からガソリン補助金の段階的な引き下げを始め、今年1月に補助は完全終了。それ以降は185円/Lを超えない限り、補助金はゼロのままだ。引き下げから2か月たったいまも高値が続き、レギュラーガソリンの全国平均価格は184.4円/L(2月17日時点、石油情報センター調べ)となり、引き下げ以降、10円ほど値上がりしている。

群馬県在住の主婦・Oさん(53才)がため息をつく。

「買い物や子供のお迎え、義母の通院などで平均して毎日だいたい10km運転しているので、あらためてガソリン代をいくら支払っているのか計算してみました。乗っている車の燃費をリッター15km、ガソリン価格を185円として計算したら月々3700円、年間で4万4400円でした。夫は仕事で往復30kmの距離を車で通勤しているので、家計の負担は年間で15万円ほどになりそうです。本当に頭が痛いです…」

Oさん一家のように、車が“生活の足”である世帯ではガソリン代が高いからといって、乗らないという選択肢はない。だからこそ、ガソリン代をいかに節約するかは死活問題だ。

節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さんは、「節約術はガソリンを入れる前から始まっている」と話す。

「ガソリンの価格は毎日変わりますが、ガソリンスタンドによって差があります。レギュラー価格でリッターあたり10~15円違うこともざら。安くガソリンが入れられれば、それだけお金は手元に残るのでガソリン価格比較サイト『gogo.gs』などで事前のリサーチが最重要です。

ほかにも細かな“裏ワザ”を使っていけば、年間数万円の節約ができるはずです」(丸山さん・以下同)

ガソリンカード、クーポン、ポイント制度の利用も

リッターあたり15円安くなれば、前出のOさん一家だと年間で1万2600円の節約になる。

さらに重要になるのが、「ホーム」となるガソリンスタンドを見つけること。ガソリンスタンドが集中する地域や国道沿いなどは価格競争が行われ価格が安い傾向にある。安価なスタンドを「ホーム」と決めたら、会員にならない手はない。

車にガソリンを給油する手元
ガソリンを満タンにすると燃費は悪くなる。タイヤの空気圧などのメンテナンスを忘れずにしたい(写真/PIXTA)
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「ガソリンスタンドの会員になって、石油会社が発行するクレジットカード、通称『ガソリンカード』を使うとお得です。例えば、『ENEOSカード C』は年会費1375円(初年度無料)ですが、毎月利用した金額によって値引き単価が変わります。1か月の利用が7万円以上であれば、1Lあたり7円引きです」

価格が15円安いスタンドを「ホーム」にし、さらに7円/L安くなれば、Oさん一家は年間約2万円もガソリン代が浮く。家族で1日に80~100kmの距離を移動していれば、年間約5万円も節約できる計算になる。

自動車ジャーナリストの桃田健史さんが続ける。

「アプリ会員限定のクーポンやポイント制度の併用もフルに駆使すると、実質的な支出を抑えることができて節約になります」

例えばENEOSやアポロステーションのアプリには、割引上限など制約があるもののレギュラー価格が1Lあたり約10円オフとなるクーポンなどがあるので上手に活用したい。

ただ節約を意識するあまり、安いガソリンを入れるためだけに遠出してガソリンを消費しては本末転倒。

「あくまでも用事のついでに安く給油するのが節約のコツ。また、安いからといって、常にガソリンを満タンにしないこと。少し足りないくらいの方が燃費はよくなります。一方で、災害が起きた際にガソリンが足りず、車での避難ができなくなると命にかかわることもあるでしょう。災害を考えると半分を切ったら満タンにする方法がいいと思います」(丸山さん)

定期的なオイル交換やタイヤの空気圧チェックも燃費への影響大

桃田さんは「メンテナンス」の重要性を説く。

タイヤの空気圧をチェックしている手元
タイヤの空気圧は燃費への影響が大きい(写真/PIXTA)
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「定期的なオイル交換やエアフィルターの交換、タイヤ空気圧のチェックは欠かせません。特にタイヤの空気圧は燃費への影響が大きいので、自分でチェックできるといいです」(桃田さん・以下同)

この時期ならではの燃費消費の悪化要因もある。

「季節による燃費の差で大きいのは冷暖房です。ほかには寒さでエンジンオイルの粘性が高くなることやエンジン内の燃焼効率などが挙げられますが、どれも開発技術面の問題。ユーザーはメンテナンスなど、できる範囲で対策しましょう」

カーシェアリングを使うのもひとつの手。例えば、大手の「タイムズカー」は初期費用がかからず、ガソリン代・保険料込みで15分220円~という料金設定。月額基本料金が880円かかるが、個人会員なら利用料金として使うことができるので、利用した月は月額基本料金が実質0円になる。ちょっとした買い物の場合は、カーシェアを利用した方がお得な場合もあるのだ。

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