【花粉シーズン到来】近年増加している「子どもの花粉症」に有効な治療法は 医師が解説する「レーザー治療」 約80%が鼻づまり、鼻水やくしゃみの改善を実感したとの報告も

レーザー治療の流れは? いつおこなうのがいい?
流れはとてもカンタン。基本的にはいつおこなってもOKです。
レーザー治療を受けるときは、問診と検査を受けてから日にちを決めておこないます。 入院は不要で、レーザー照射は原則日帰りで終わります。 レーザー治療は大人も子どもも同じようにおこなわれ、当日は次のような流れで進みます。
(1)ガーゼやスプレーを用いて、キシロカインと呼ばれる麻酔液で鼻粘膜を表面麻酔。15~20分ほど待つ。
(2)鼻の穴に細いパイプ型の器具を入れ、アレルギー性鼻炎の主な反応部位(下鼻甲介粘膜)をレーザーで焼灼する。焼灼時間は両側あわせて約10分。
(3)ほかに何も問題が起きなければこれで帰宅。
レーザー治療を受けると、約80%の人が鼻づまり、鼻水やくしゃみの改善を実感するという報告もあります。
ただ、レーザー治療をした直後は一時的に鼻づまりや鼻水がひどくなることがあります。それはレーザーで焼いた反応によるものです。たとえば転んですりむくと、血が出てきたあと、ジュクジュクしたものが出てきます。これは傷を修復するために白血球やマクロファージを含んだ滲出液が出てくるからなのですが、レーザー治療も同じです。
レーザーで焼いたところを修復しようとジュクジュクした滲出液が出てくるのです。
鼻の中は閉鎖空間なので、滲出液が出てくると、鼻づまりや鼻水の症状が出やすくなます。
その場合は、耳鼻咽喉科で鼻の中を掃除します。掃除は専門器具を使って、掃除機のように鼻の中の余分な滲出液や鼻水を吸いとります。鼻の中の掃除を毎日おこなうと、次第にスッキリとし、快適に過ごせるようになります。
レーザー治療は基本、いつおこなっても大丈夫です。ただ、治療後に鼻づまりを起こしてしまうと、どうしても口呼吸になりがちです。口呼吸になると、口の中やのどが乾燥を起こしてしまいます。
特に、秋から春先にかけて乾燥するシーズンでは、口呼吸をすると口からウイルスに感染し、風邪やインフルエンザにかかるリスクが高まるので、比較的湿度の高い、梅雨から夏の時期におこなうことをオススメしたいです。
※村川哲也著『子どもの一生を決める花粉症対策』より、一部抜粋・再構成