6~7月頃にはここまで下がる
ではこの先、米の価格はどのように推移していくのか。米の流通円滑化のために政府備蓄米が放出されるのは今回が史上初だが、どれほどの効果があるのだろうか。前出の小川さんは冒頭のように「直ちにスーパーや町のお米屋さんで売られる米の値段が下がるわけではないでしょう」と指摘する。
「そもそも備蓄米は、食料安全保障のために確保されているものなので、品種や産地がバラバラ。そのため、放出される備蓄米は業務用や加工米として流通していく可能性が高く、一般のスーパーに出回るケースは少ないと考えられます。ただし全体的な供給量は増えるので、これまで米を買い占めていた業者が売りに転じ、一部が消費者のもとに届くというシナリオはあり得ます」(小川さん・以下同)

写真5枚
備蓄米放出後の適正価格はどの程度なのだろうか。
「6~7月頃になれば、今年の米の作柄もある程度、予想できるでしょう。昨今の物価上昇を踏まえて、5kg3800円前後になれば適正価格といえるでしょう。緩やかにではありますが、米の店頭価格は下がっていくことになるのではないでしょうか」
外食にはどのような影響があるのだろうか。
「米の供給が減って輸入米を採用していた外食は、備蓄米放出を機に国産米に置き換える可能性があります。米価の高騰を受けて、一部外食では商品の価格は据え置きし、“おかわり無料”や“大盛り無料”のサービスを廃止することでしのいできました。備蓄米の放出で供給が改善されると、こうしたサービスが再開されるなど、間接的にわれわれにも恩恵が出てくるかもしれません」
(後編へ続く)
※女性セブン2025年3月20日号