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高騰するキャベツ、白菜、ブロッコリーをおいしく食べる保存テク 「キャベツは炒めて冷凍するとトロッとした食感に」「白菜はレンチンして冷凍すると甘みがアップ」 

キャベツ、白菜、ブロッコリー
(写真/イメージマート)
写真9枚

昨夏の記録的な猛暑や、秋以降の天候不順などによる生育不良が原因で、一時は「キャベツの価格が例年の3.3倍、1玉1000円以上」と、もはやキャベツは高級食材に。それ以外にも、価格高騰が際立つのは白菜やブロッコリーも同じ。貴重な高騰野菜、せっかくならおいしく食べたいもの。料理家・野菜ソムリエプロの根本早苗さんに、そんな高騰野菜をおいしく食べるための保存テクニックを聞いた。また、価格安定で優秀、高騰野菜の代わりに使える優等生野菜も紹介する。

高騰野菜をおいしく食べるための保存テクニック

根本さんがおすすめする、高騰野菜をおいしく食べるための保存テクニックを紹介する。

キャベツ、白菜は新聞紙に包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ

野菜は“蒸散”といって水蒸気を出しているため、そのまま袋に保存すると野菜に水気がついて傷む原因に。

キャベツ、白菜は新聞紙に包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ
キャベツ、白菜は新聞紙に包んでからポリ袋に入れて冷蔵庫へ(イラスト/うえだのぶ)
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「キャベツは芯をくり抜き、水で濡らしたキッチンペーパーを詰める。白菜は芯に楊枝を2〜3本さして成長点を壊します。それから新聞紙かキッチンペーパーで包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存しましょう」(根本さん・以下同)

白菜は干してから冷蔵保存もおすすめ

白菜は葉をザルなどに並べ、ガラス越しでいいので1〜2日程度太陽光に当てて干す。

白菜は干してから冷蔵保存もおすすめ
白菜は干してから冷蔵保存もおすすめ(イラスト/うえだのぶ)
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「水分が抜けて味が凝縮するので、少ない調味料でもおいしく調理できます。干した白菜はキッチンペーパーに包んで、ポリ袋に入れて冷蔵庫に保存しましょう」

白菜はレンチンしてから冷凍すると甘みがアップ

加熱するとカサが減る白菜は冷凍保存も可能。

白菜はレンチンしてから冷凍すると甘みがアップ
白菜はレンチンしてから冷凍すると甘みがアップ(イラスト/うえだのぶ)
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「ざく切りにした白菜⅛個分を冷凍用保存袋に入れ、口を開けたまま電子レンジ(600W)で2分加熱。冷めたら平らにして冷凍室へ。冷凍すると甘みがアップし、スープや煮込み料理に便利。6週間程度は保存可能です」

キャベツは炒めてから冷凍するとトロッとした食感に

キャベツは炒めてから冷凍するとトロッとした食感に
キャベツは炒めてから冷凍するとトロッとした食感に(イラスト/うえだのぶ)
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「キャベツ1/4個分をざく切りにして、塩少量とサラダ油で炒め、冷めたらラップで包み、冷凍保存袋に入れて冷凍します。冷凍すると芯もやわらかく食べられ、葉もトロッとした食感になるので炒め物や和え物、みそ汁の具などに重宝。6週間程度は保存可能です」

ブロッコリーは購入後すぐにゆでて冷蔵保存

ブロッコリーは“花蕾”と呼ばれる小さな蕾のかたまりなので、日持ちしない。

「黄色く変色して栄養価も低下してしまうので、購入したらその日のうちにゆで、しっかり水気を切って冷蔵保存し、3〜4日で食べきるのがベスト。冷凍保存なら、硬めにゆでてから冷凍すると水っぽさを軽減できます。使うときは自然解凍か加熱解凍で、6週間程度は保存可能です」

価格安定で優秀!高騰野菜の代わりに使える優等生野菜

続いて、野菜が高騰する中でも価格が安定している家計に野菜医野菜も紹介する。

【もやし】大豆もやしを選べば栄養価も高くて◎

野菜が高騰する中で家計の強い味方といえば、『物価の優等生』とも呼ばれるもやし。

もやし
もやし(写真/freeangle/PIXTA)
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「もやしには生産量が多い『緑豆もやし』のほかに、『黒豆もやし』『大豆もやし』があります。いちばんおすすめしたいのは、大豆もやし。大豆を発芽させているので大豆イソフラボンや食物繊維が豊富で、たんぱく質も摂取できます。

食べ応えもあり、何より味に深みがある。もやしのビタミンCやカリウムは水溶性で、ゆでると溶け出してしまうので、栄養損失が少ない電子レンジでの加熱がおすすめです」

【豆苗】ビタミン、ミネラルが豊富で生でもおいしい

かいわれ大根やブロッコリースプラウトなど発芽野菜の中でも、特に活用したいのが豆苗。

豆苗
豆苗(写真/asuo0307/PIXTA)
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「緑黄色野菜である豆苗は、βカロテンやビタミンC、ビタミンB群、ビタミンK、葉酸、食物繊維が豊富で、栄養をバランスよく摂取できます。カサもあり、生でも食べられるので、キャベツの代替に最適です。

再生栽培を行う人は多いと思いますが、豆苗は調理する前に根を水に浸し、毎日水を替えて1週間程度すると豆苗が倍くらいに伸びます。こうして量を増やしてから食べるという方法もありですよ」。

【冷凍野菜】下ごしらえ不要。必要な分だけ使えて便利

冷凍かぼちゃ
冷凍かぼちゃ(写真/genzoh/PIXTA)
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「旬の野菜を加工しているため、栄養損失も少ないです。特に緑黄色野菜のかぼちゃやほうれん草、ブロッコリーは栄養豊富です。調理が簡単なのも◎」

冷凍ブロッコリー
冷凍ブロッコリー(写真/genzoh/PIXTA)
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【カットキャベツ】キャベツ高騰の中でも比較的価格が安定

「カット野菜のビタミンCは洗浄過程でかなり損失していますが、時短やカサ増しという意味で重宝します」

取材・文/青山貴子

※女性セブン2025年3月13日号

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